かつて、ローマに富と文化が蓄積し、版図を広げ始めた頃、カルタゴは滅び、それ以降、二度とカルタゴの名が世界史の記述に蘇ることはなかった。やがて、古代ローマは地中海世界を統一した。しかし、ローマ帝国は東西に分裂し、ゲルマン人の侵入によりローマ市も略奪と破壊を受けることになる。ローマ市は1000年後も繁栄、停滞、破壊の循環から逃れることは出来なかったが、それでもなおローマは復興を遂げ、今も地中海世界のみならず、国際的にも存在感のある都市となった。
ローマのみならず、古今東西、世界中で国際紛争は多々あった。そしてローマのように復興活動の困難の先に繁栄を遂げた国があったし、カルタゴ以外にも貧困や災害などの要因によって復興が根付かなかったケースもある。1945年の国際連合成立後も紛争数は右肩上がりで増えていったし、1989年の冷戦終結後も国内紛争は多数発生した。
1992年、ガリ元事務総長はSGレポート「平和への課題(Agenda for peace)」の中で、それまでの国連の機能として想定していた予防外交、平和創造、平和維持に加えて、「平和構築」を新たな機能として位置づけた。2000年、国連ミレニアムサミットの直前に発表された、ブラヒミレポートと呼ばれる委員会報告の中で、それら機能の相互関係が統合的に強化された。
2006年、平和構築委員会が設立され、総会・安保理両機関への政府間諮問機関として、復興のための包括的な戦略について国連諸機関へ助言と調整を行い、平和構築基金から資金援助を行う枠組みが整い、現在、アフリカの4カ国で活動を行っている。平和構築は、安全保障、政治、治安、行政、司法、教育、開発の領域を、適切な量と質を持った活動が適切な時期に果たされない限り、定着することは困難な分野である。
国連憲章において定められた「国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任」を果たすべき安全保障理事会で、今回の議論を開催するという特性を生かし、平和構築という課題において開発の側面から議論するのではなく、法の支配の確立と、グッドガバナンスの定着に向けた取り組みに着目して議論して頂きたいと考える。そのため、設定した論点は3つ、文民警察官の迅速な派遣体制に関しての議論、対話と和解プロセスのあり方、平和構築委員会のレビューである。これらは過去に安全保障理事会で議論されていないが、各国の公式発言からは議論の必要性を認識する声があるため、これを設定した。
新任大使のみなさんは、会議から世界を知るきっかけになる機会を得てほしいですし、経験あるみなさんにとっても、この会議を通じて国際社会の多様な活動を知る機会になり、次の会議につながれば良いなと思います。首席・次席代表制などを通じて、ペアデリの良いところを発揮してもらえるとうれしく思います。参加をお待ちしております。
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