模擬国連は、各国大使として多角的に国際問題を考えることができます。しかし活動はあくまで国際会議のシミュレーションであり、学生の集めた情報や経験の範囲で政策立案・交渉を行うものです。
そこで本大会では、模擬国連と実際の外交・国際社会の現場との距離を少しでも縮めるために、その最前線で働いていらっしゃったバルーク氏に基調講演をお願いしました。
実際の元大使から、大使としての経験や国際問題への視点を学ぶことで、今後の模擬国連活動におけるみなさんの考えや会議行動がさらに深まることを期待しています。また、将来その方面で仕事をしたい方にとって、大使の生の声をお聴きできるまたとない好機です。
どうぞご期待下さい。
現在は左派政党メレツのサハバ・ガルオン党首の顧問であり、平和活動家。無宗教。
36年余り務めたイスラエル政府外務省を、思想に合わないとの理由で2011年3月1日に辞職した。外交官としてアジア(シンガポール、フィリピン)、ヨーロッパ、アフリカで活動。外務省パレスチナ自治政府担当部門を設立し、その責任者となり、国際和平交渉と中東の経済協力のコーディネートを行った。また、オスロでのイスラエル代表団の一員となり、他の様々なパレスチナ自治政府との和平交渉にも参加。さらに、ヨルダン、エジプトとの経済交渉にも当たった。大使として最後に赴任したのは南アフリカで、ナミビア、ボツワナ、ジンバブエも担当した。
外務省を辞して以後は、民間外交の分野で活動し、ラジオ番組“All for Peace”のホスト、イスラエルや諸外国のメディアでのコラムや解説記事の執筆を行っている。また、イスラエルとパレスチナの活動家が協力して運営する平和NGOフォーラムの運営委員にもなっている。
(大使の実際の映像はこちら)
https://www.youtube.com/watch?v=SSad7o5fwZ0
バルーク氏はこの訪日中、日本国内の他のイベントでも講師としてご講演をなさいます。関西大会と日程が近くなっていますが、よろしければ合わせてご参加ください。
元イスラエル外交官の来日はめったにない貴重な機会です。模擬国連の枠を超え、多くの方にこの講演イベントの情報をシェアしていただけると幸いです。
講演イベント「政治と宗教から中東の平和を考える集い」
(東京開催)8月14日(木) @大手町サンケイプラザ
(大阪開催)8月17日(日) @エル・おおさか
○参加無料
詳細につきましては、以下のHPをご覧ください
イベントHP: こちら
イベントチラシ(PDF):こちら
講演内容についての導入補助として、パレスチナ問題の年表と略史を記します。
講演者・講演内容をより深く理解することができると思いますので、ぜひご一読ください。
さらに詳しい情報を得たい方は、下記のリンクもご覧になることをおすすめします。
また、関西大会でも数回、パレスチナ問題を扱う会議を行っています。このHPの「過去の大会」も、ぜひご覧下さい。
〇パレスチナ問題の起こり
第一次世界大戦におけるイギリスの三枚舌外交に端を発したパレスチナ問題は、パレスチナのイギリス委任統治領時代やドイツによるホロコーストを経て深刻さを増していき、WWⅡ後、国連へ付託された。
1947年、国連で採択された分割決議は、様々な問題を抱え、アラブとユダヤの対立を泥沼化させていく。1948年、他国の反対を押し切ってイスラエルが建国された。
(引用:http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol15/)
〇中東戦争
それぞれ1948 年、1956年、1967年、1973 年に第一次から第四次まで繰り広げられた。第三次中東戦争ではイスラエルがパレスチナ一帯を占領。第四次中東戦争では、イスラエルとエジプトが和平路線に舵を切り、シナイ半島は返還されたが、ガザ地区に関しては具体的な進展はなかった。
イスラエルによる統治が 20 年ほどたった 1987 年、イスラエルによるガザ地区でのパレスチナ・アラブ人の殺害をきっかけに、抵抗運動「インティファーダ」が勃発。
インティファーダ以降、パレスチナとイスラエルの関係は冷えきっており、イスラエルは PLO をテロリストと認定し、パレスチナ人代表の機関を承認しない姿勢をとっていた。 しかし、1993年のオスロ合意はその流れを大きく変えた。
〇オスロ合意
ラビン率いる労働党はノルウェーの首都オスロで PLO と秘密交渉を繰り返していた。労働党は政権獲得後の 1993 年、クリントン米大統領の 仲介で PLO と「パレスチナ暫定自治に関する原則宣言」(いわゆる「オスロ合意」)をワシントンにおいて締結。このオスロ合意の調印によってイスラエルと PLO は相互に交渉相手としてその存在を承認した。これにより、イスラエルとパレスチナ人の関係は新たな段階に入った。
オスロ合意では、暫定的に五年間にわたってパレスチナ自治を行い、自治開始二年後までにエルサレム、パレスチナ難民帰還、ユダヤ人入植地、国境画定などの最終的な地位交渉を行うという和平交渉の道筋が示されたのであった。
オスロ合意は、イスラエルが戦争で占領したアラブ領を、アラブ側がイスラエル国家を承認することを条件に変換するという、「領土と和平の交換」の原則に基づくものであった。つまり、PLOがイスラエルを承認することで、イスラエルは占領しているヨルダン川西岸・ ガザを自治領として変換していくというものであった。
しかし、オスロ合意によれば、まずパレスチナ暫定自治を開始して、段階的に自治政府の管轄の領域を広げていく予定だった。にもかかわらず、イスラエル軍が占領地から撤退する交渉のスケジュールはことごとく遅れた。
〇オスロ合意後 収まらない混乱
2000 年7月のキャンプ・デービッド交渉が不調に終わり、和平交渉に停滞ムードが漂う中、9月に第二次インティファーダが勃発。イスラエルは自治政府をテロ組織認定した。
2004年には、ハマスの創設者であるヤシン師をイスラエルが殺害。イスラエルを非難する安保理の決議案は、アメリカの拒否権発動により葬られた。
シャロン首相は2004年に突然ガザの入植地撤去と駐留軍の撤退を国会で承認させた。 ガザ地区はイスラエル軍撤退により完全な自治区へと移行したものの、狂喜した人々による旧入植地の略奪や武装勢力による抗争の激化により治安は悪化。そして、2006 年の選挙で急進派のハマスが過半数を獲得した一方で、PLO 議長のアッバース率いるファタハは約3分の1に留まった。選挙結果を受けて、ハマスは内閣を組閣したが、ハマスをテロリスト集団とみなすイスラエルは PA 内閣と断交し PLO のアッバース議長とのみ対話の場をもった。また、米、EUは直接援助を打ち切った。
ハマス内閣発足後、ガザ地区ではファタハとハマスの内部抗争が激化し、多数の死者が出る事態となった。2007 年の2月にハマスとファタハによる挙国一致内閣が成立したが、5月頃から再び抗争が勃発し、ついにハマスがガザ地区全土制圧を宣言。こうして、パレスチナはファタハの統治するヨルダン川西岸と、ハマスの統治するガザに分裂してしまった。
2014年6月、西岸とガザの統一政権が発足したが、PLOがハマスと接近することについてイスラエルは反発している。この3者の関係は未だ不安定なままだ。
外務省「わかる!国際情勢」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol15/
外務省「パレスチナ概況」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/plo/kankei.html
オスロ合意について概略(英語)
http://www.knesset.gov.il/lexicon/eng/oslo_eng.htm
オスロ合意全文(英語)
http://www.knesset.gov.il/process/docs/oslo_eng.htm
「双方の視点から描くパレスチナ/イスラエル紛争史」ダン・コンシャーボク、ダウド・アラミー著(岩波書店)
※13回大会のパレスチナ会議の会議監督よりご紹介いただきました!
第13回模擬国連会議関西大会
第2会期国連総会「パレスチナにおける将来の政府」Background Guide
第12回模擬国連会議関西大会
第10回国際連合緊急特別総会「パレスチナ情勢」Background Guide
閉会式後に、神戸商工会議所のイベントホールでレセプションを実施致します。
立食形式で行いますので、同じ会議の参加者や違う会議の参加者と交流して頂き、
全国大会の魅力でもある全国の方々との繋がりというものを実感して頂ければ幸いです。
また、参加者の皆様どうしが交流し、楽しめるような企画を考えております。
| 日時 | 8月20日 (水) 閉会式終了後 18:00-20:00 |
|---|---|
| 場所 | 神戸商工会議所 イベントホール |
| 費用 | ※レセプションの費用は大会参加費に含まれております。 |
第13回模擬国連会議関西大会、レセプションの様子
関西大会では、大会当日に模擬国連を知っていただくための「体験イベント」を用意しております。
「会議を全日程参加することができないが、一日のみの企画だけなら参加できる」、「模擬国連を見学してみたい」 という方は社会人・大学生・高校生を問わず参加していただけます。 事前の準備は必要ございませんので、お気軽にご参加ください。
この体験イベントは3つのプログラムからなっております。
<第2回>
8月19日(大会2日目)<午前の部>
9:00~ 会場にて受付開始
9:20~9:50 ①模擬国連の紹介
9:50~10:00 休憩
10:00~11:00 ②会議見学ツアー
11:00~11:20 休憩
11:20~13:30 ③体験企画
<第3回目>
8月19日(大会2日目)<午後の部>
13:40~ 会場にて受付開始
14:00~14:30 ①模擬国連の紹介
14:30~14:40 休憩
14:40~15:40 ②会議見学ツアー
15:40~16:00 休憩
16:00~18:10 ③体験企画
※3回行いますが、すべて同内容となっております。どれか1回をお選びください。
※要相談となりますが、一部のみの参加も可能となっております。
会議室、飲み物、その他印刷物などの諸経費を一部負担していただきたく、参加費を当日受付にて徴収いたします。
お1人様/300円
※営利目的での徴収ではございません。
6月1日(日)より募集を開始いたします。
お申し込みはこちらから承ります。
各回30名(先着順)
定員になり次第、応募受け付けを終了させていただきます。
上記のコンテンツは、多くが学生目線のものとなっております。個別での対応となりますが、実際の会議の見学を重点的に行うこともできますので、よろしければ下記メールアドレスへご連絡ください。
Mail: kmunc@kansai-mun.org(大会事務局)
第12,13回模擬国連会議関西大会 会議見学ツアーの様子


日本模擬国連関西事務局の協力のもと、研究会の枠を超えた交流の機会として、大会後の8月21日(木)に京都の名所めぐり観光を企画しています。全国大会という機会を生かして、会議で仲良くなった他の研究会の仲間たちと絆を深めませんか?京都には清水寺、金閣寺など様々な観光名所があり、せっかく関西まで足を運ぶなら会議以外にも関西を満喫しましょう!
参加のお申込みは、本大会への参加申し込み時から大会当日まで受け付けております。詳細は順次お知らせしていきますので、お楽しみに!
また、大会が行われるホテル近郊には、様々な観光名所をもつ神戸もあります。このページでは、神戸観光に役立つ情報や、おすすめスポットの紹介を行っていきます。
神戸の代表的な観光スポット。 明治時代の外国人居住者のために西洋館が建築されたのが始まりとされ、貿易港・国際都市としての神戸の歴史を象徴する場所でもあります。 ここではその一部を紹介します。
神戸の代表的な観光スポット。 神戸港を観光できる代表的な2つのエリア。神戸土産を買えるショッピングモールや、記念写真を撮るのに最適なポートタワー・海洋博物館などがある。 神戸港を周遊できるクルージング船もここから発着しています。