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1994年4月21日に安保理決議912が採択された日付を、ある国連高等難民弁務官の職員は、『国連が最も恥ずべき暗黒の日』と称しまし た。 なぜこのような憎しみさえも伺わすような日付が称されたのでしょうか?みなさんご存知の通り、ルワンダのジェノサイドに対して国連は有効な手立てを打てず結果的に約100万人もの無辜の人の救うことができなかったのです。 そしておそらく次の問いが、みなさんの脳裏にかすめるのではないでしょうか?すなわちそれは、国連にはそれらの人々を救う手立てがなかったのかという問いです。どうやらこの問いの答えは、Yes or Noという単純な二項対立で片付けられるようなものではなさそうです。 方法論については論争的ですが、目的は明快です。国連の目的の一つに人権の促進が挙げられます。この背景にはナチスのホロコーストが想起されており、国連そして国際の平和と安全の維持の主要な責任を担う安保理は、抽象的ではありますが、言語に絶する悲惨な悲哀を再び起こさない、という目的を有しています。またジェノサイド条約も存在し、当条約は、強行規範として位置付けられ、第一条において、ジェノサイドを平時・戦時のいかんに問わず防止し、その罪を犯した者を処罰するという義務を謳っています。 この点この議題において、まさに今大会テーマである「Progress~国益と国際益の収斂」が、目的達成をするための前進が可能か否かの判断をするためそれぞれの大使が国益と国際益との間にジレンマを感じた結果の収斂により生々しく映し出されるでしょう。 歴史的にも有名な入門的に扱われる議題ですが、今回の関西大会ではこれまで行われてきた会議と一味も二味も違うように、様々な次元と視点から検証し、ジレンマを抱えらずにはいられない前提知識の豊富さを売りに、みなさんと一緒に素敵な会議を創り上げることを楽しみにしています。 【参考文献】 田畑 茂二郎『国際法新講(上・下)』(東信堂、1996年) 最上 敏樹『人道的介入-正義の武力行使はあるのか-』(岩波新書、2001年) エリ・ウィーゼル『介入?人間の権利と国家の論理』(藤原書店、1997年) |
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