GA-Ple EFA-FTI CBD PSC HSC



遺伝資源へのアクセスと利益配分に関する国際的枠組みの策定

設定会議 生物多様性条約事務局臨時作業部会
会議監督 迫田耕治(神戸研究会、大阪大学外国語学部3回生)
議長 吉原千聡(神戸研究会、神戸大学法学部3回生)
セクレタリー 前原博信(九州支部、
 立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部3回生)
使用言語(公式/非公式/決議) 日本語/日本語/英語













 生物多様性条約は@地球上の多様な生物を保全すること、A生物多様性の構成要素の持続可能な利用、B遺伝資源の利用から生じる利益を公正かつ衡平に配分すること、以上3つを目的をとして1992年に採択された条約であり、現在190カ国が締結しています(米国は未締結)。当条約の締約国は1~2年の間隔で締約国会議(COP)を開催し、先述した3つの目的を達成するための具体的な方策に関して議論を重ねてきました。そして、次回のCOPであるCOP10は、2010年10月18日~10月29日に日本(愛知県名古屋市)で開催されることが決定しています。

 このCOP10で最も重要な論点のひとつとなるのが「遺伝資源 へのアクセスと利益配分(Access and Benefit Shearing: ABS)に関する国際的枠組み」の策定です。これは、生物多様性条約の目的のひとつ「遺伝資源の利用から生じる利益を公正かつ衡平に配分すること」に深く関連する議論です。基本的に遺伝資源は途上国に多く存在しますが、その遺伝資源を活かすための技術は先進国が多く保有しています。そのため、多国籍企業による遺伝資源の搾取・収奪を危惧する途上国と、遺伝資源へのアクセスを容易にして自国企業の技術革新を促したい先進国との間で対立が続いている現状があり、今日まで、遺伝資源提供国である途上国は法的拘束力のあるABSに関する国際的枠組みの策定を主張し続けています。2006年に開催されたCOP8の決議においては、ABSに関する国際的枠組みの策定に関して多方面から検討を続けてきた作業部会に対して遅くともCOP10までに何らかの議論の目処を出すことを求めており、現在、当該作業部会ではCOP10を見据えた白熱した国際交渉が行われています。

 ABSに関する議論はなじみが薄く専門性が高いものですが、その一方で私たちの生活に密接に関わっていますし、COP10の開催を控え、開催国日本のリーダーシップが問われている問題でもあります。一緒に、COP10開催国日本の学生としてこの問題に関して考え、国際問題に関する視野を広げていければ、と考えています。

【参考文献およびURL】
林 希一郎著『生物遺伝資源アクセスと利益配分に関する理論と実際―新医薬品開発を例に― 』
 (大学教育出版、2007)
COP10支援実行委員会(http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/index.html )
EICネット シリーズ・もっと身近に!生物多様性(第17回)
 (http://www.eic.or.jp/library/pickup/pu090122.html)