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会議概要

議題

Support by the United Nations system of the efforts of Governments to promote and consolidate new or restored democracies 新生、あるいは復興民主主義体制を促進、強化・定着させるガバナンスの取り組みへの
国連システムによる支援

会議設定

設定会議第68会期国際連合総会本会議
募集人数37名(ペアデリゲイツ含む)
会議監督小板橋瑠美(同志社大学法学部3年生)
議長中野宏祐(京都大学法科大学院2年生)
秘書官大村元子(北九州市立大学外国語学部3年生)
報道官井出遙(東京外国語大学外国語学部3年生)
萬雄太郎(中央大学総合政策学部3年生)
使用言語日本語・英語/日本語/日本語
(公式/非公式/決議)

議題概要

議題解説

人民が権力を所有し行使する政治形態である民主主義の歴史は古代ギリシャから始まり、17~18世紀の市民革命を経て成立し、近代国家の主要な政治原理および政治形態となりました。 1980年代の冷戦終結以後は権威主義体制から脱し民主化する国の相次ぐ出現により、国際社会による民主化支援の幅が広がったため、国連で議論の対象となりました。 2000年には国連総会で採択されたミレニアム宣言で民主主義が言及され、特定国家や当事国国家のみが関わる問題ではなく、国際社会全体が協力して達成していくべきものとして位置づけられるようにもなります。

民主化支援は選挙支援のみならず、民主的制度と制度運用システムの構築、民主化を進める土台となる市民社会のエンパワーメントなど多岐にわたり、政治体制の違いから国の数だけ異なる民主化の形が存在します。 失敗すれば元の非民主主義体制に逆戻りし、内戦を招いてしまうことさえあるため、慎重を要する課題です。 さらに民主化支援は本質的に国家の政治体制を変更する作業であり、内政干渉の懸念から民主主義の内容を巡る対立も存在します。 以上を踏まえ、今会議では、どうすればより効率的な民主化支援が行えるのか、国際社会にとって望ましい民主主義とはいかなるものであるのか、 国連はそれの実現の為に何が行えるのかについて話していただきたいと考えています。

また、詳しくは議題解説書で述べますが、一般的に民主的国内統治は国家財の公平な分配を行い、国民のニーズ充足を実現するグッドガバナンス向上につながると言われています。 大抵の場合、国連会議では国際問題を解決するための規範や指針を示すだけであり、例えすべての国の合意が得られたとしても、最終的な履行されるかどうかは国家のガバナンス能力に左右されます。 この点において国連決議の効果には限界があります。それゆえに国家のガバナンス能力の向上と密接に関わる民主化支援はある意味では国連決議の限界を超えるための方策であり、 可能性を広げることが出来るとも言えます。ぜひこの機会を通し、国連の限界と可能性について考えてみてください。

参考文献・URL

杉浦功一「国際連合と民主化」(法律文化社 2004年)
岩崎正洋「ガバナンス論の現在」(勁草書房 2011年)
民主化支援のあり方(基礎研究)報告書『民主的な国づくりの支援に向けて-ガバナンス強化を中心に-』
(国際協力事業団/国際協力総合研修所、2002)

会議テーマ

テーマ:「見つける可能性」


参加者一人一人が達成感を得て、克服すべき課題を見つけることがこの会議の目標です。
フロントからはそれが実現できるような会議づくりやサポート体制を行います。 会議準備の面ではタスクを充実させ参加者が万端の体制で臨めるようにし、会議中は深夜コーカスを廃止し、フロントと一対一の対面でその日の振り返りや反省、相談などを行う機会を設けます 。会議後はレビューの時間の充実や提出されたタスクの公開などにより、自己反省と次への課題を見つけられるような機会を提供します。 どの参加者に対しても、自分の限界を見極め、それを乗り越えられるには何をすればいいのかの可能性を見つけられる、そのような会議にしたいと考えています。

ディレクインタビュー

小板橋 瑠美(こいたばし るみ)
同志社大学法学部3年生







民主化支援のあるべき姿とは?
国連の限界とは?
GA-Ple 会議監督 小板橋さんに伺いました。

―議題の簡単な紹介をお願いします 。

議題どおり加盟国の民主化をサポートするための方策について議論することになります。
総会が直接民主化支援の具体策を決定するというよりは、いかにして現状の民主化支援を巡る問題を解決するかに点を当てます。

―なぜそのような議題を選んだのですか?

国連会議では環境とか人権とかの問題について議論して決議を出しますよね。 あるいは国際協力の分野では、経済援助とか技術支援をします。 でもその決議や支援が効力を有するかは結局、その国が決議を実行する、あるいは支援を有効活用する能力があるかどうか、 つまり統治能力を有しているかどうかに関わる部分が多いんじゃないでしょうか。 ゆえに、いかに統治能力を向上させるかについて考えることも国際問題を考える上で重要になってくると思うんです。 民主化支援は人権や経済・社会発展を実現するための政治体制として民主主義を目指す観点から行います。 よって国家の統治のあり方や能力をいかに向上させるかについて話せるトピックだと思ってこの議題を選びました。

―では、この会議では具体的にどのようなことが話されるのですか。また、どのような対立軸が予想されますか ?

(論点) 具体的な論点は、①望ましい民主化支援のありかた、②民主化支援を巡る諸問題の2つを予定しています。
①は既存の民主化支援をより効率的に行うための方策について話し合います。現状では様々な機関が民主化支援を行っていますが、 その業務は重複していることが多く各機関の支援内容をいかに調整するかについて議論することになります。
②は民主化を巡る諸問題、とありますが、普遍的な価値としての「民主主義」はどのようなものか、そもそも「民主主義」は普遍的な価値になりうるのかといった根源的な問題から、 途上国の自立を妨げ民主化の阻害要因となる国際的な不平等制度の是正まで幅広い内容を議論します。
(対立軸) 主要なグループとしては、アメリカ、日本、欧州など民主化支援の主な主体である先進諸国、民主化支援の客体である新しい民主主義諸国、中国・キューバなど国際的な民主化の潮流に反発する反民主化勢力の3つが予想されます。
先進諸国は民主化支援によって自国の影響力拡大を図り、安全保障上の理由から「民主主義」の拡張を狙う国です。
反民主化勢力は自国の非「民主主義」的な制度の生き残りを図って、支援における内政不干渉原則の徹底を主張するため、民主化を促進したり支援で強制的なアプローチを行ったりする国(主に先進諸国)と対立します。 新しい民主主義諸国とは、非民主的な旧体制を脱し民主化に移行した国や今まさに移行しようとしている国です。
これらの国は、元の非民主的体制に逆戻りせず自国の「民主主義」が定着することを目的としているため先進諸国寄りとも言えますが、 国内の安定を維持し発展を促進させることを第1と考え民主化の非強制的アプローチや先進国優位の国際的な経済の不平等体制の是正などを主張できるため、先進諸国と反民主化勢力の中間的存在ともいえるかもしれません。
※より詳しく知りたい方はメールなどで聞いてください。(小板橋さんのメールアドレスは募集要項に記載されています。)

―この会議の魅力はなんですか?

議題面においては、人権、開発、社会問題などを包括的に扱えるところですかね。特定の分野にフォーカスしなくてもよいので総合的な考え方ができ、政策立案の幅が増えて創造力が鍛えられると思います。 会議の面においては、参加者へのフィードバック制度やフロントからのサポート体制を充実させます。他者からの評価を得たい、とか、会議経験が少なくて不安だ、といった人におすすめかもしれないですね。

―どのような人に参加してほしいですか?

どんな人でも大歓迎です!!

―参加者にはどのようなことを望みますか?

リサーチ、政策立案、会議と大変かもしれませんが、最後まであきらめずにやり遂げてください。

―最後に、会議監督として意気込みをどうぞ!

皆で有意義な会議にしていきましょう!

小板橋さん、ありがとうございました!!

国選びのポイント

会議監督のみなさんに、自身の会議で担当国を選ぶ際のポイントについてお聞きしました。

参加国を選ぶ基準としては次のアクター別の特徴を参考にしてください。

▴1 民主化支援の援助国
アメリカや日本、西欧諸国などの先進国があります。OECDやDACの加盟国かつ民主主義が定着して久しいのが特徴です。支援側の立場で会議に臨みたい人や、民主主義の理想を追求していきたい人におすすめです。

▴2 反民主主義国
中国やキューバ、イランなど自国が非民主的制度を有し、民主主義が世界的に進展することに反対する立場です。会議で民主主義の意義を問い直したい人におすすめです。

▴3 民主化移行の途上国
非民主的体制から民主的体制へと移行を開始した国です。当事者の立場でより現場に沿った意見提言をしたい人におすすめです。地域別の特徴は下の表を見てください。



▴4 オブザーバー
今会議ではオブザーバーとしてUNDP(United Nations Development Program:国連開発計画)を設置しました。開発援助の文脈で議論されるにも関わらず政治的対立が激しいこの議題において、中立的な意見提言を行う存在は重要です。 国益に関係なく民主化支援について考えたいという人におすすめです。

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