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会議概要

議題

Discussion of the Economic and Financial Crisis in the European Union欧州連合内の経済・金融危機に関する討議

会議設定

設定会議欧州理事会、2011年第5回定例会議 (12月8日~9日) [EU首脳会議]
募集人数34名(全てペアデリゲイツ)
会議監督岡崎 太 (立教大学経営学部3年生)
議長―――― (国割に「オブザーバー」として組み込み一般から募集 )
秘書官石原侑佳 (甲南大学経営学部3年生)
早川美希 (早稲田大学政治経済学部3年生)
報道官三浦拓 (学習院大学法学部3年生)
使用言語EU公用語・日本語/日本語/日本語
(公式/非公式/決議)

議題概要

議題解説

ギリシャがついていた、自国の借金に関する嘘。その嘘がバレて世界中の市場に疑心暗鬼が巻き起こり、ギリシャと同じお金(ユーロ)を使っている国々までお金が借りられなくなって、 どんどん潰れそうになる―今でも時々ニュースになる「ユーロ危機」「欧州債務危機」を短く説明すると、このようなストーリーになります。

今回模擬する会議が行われた2011年12月は、まさにユーロ諸国やEUが「瀬戸際」まで追い込まれていた時期です。 対策を考えても市場の不安は治まらず、やっと首脳会議で合意したことも各国の議会で猛反発にあい上手くいかない。 その不手際にまた市場は疑心暗鬼をつのらせ、潰れそうになる国がさらに増える。こんな悪循環に、EU諸国の首脳は文字通り眠れない日々を過ごしていました。

危機の処理にここまで手こずったのは、この危機がEUの抱える政治的な問題まで明るみに出してしまったからです。 「EUという組織は加盟国とどう関わるべきなのか」「加盟国の主権にEUはどこまで踏み込めるのか」「ユーロを使う国々は、どこまで『連帯責任』を負うべきなのか」。 こういった問題はEUやユーロが拡大の過程で放置してきたものであり、危機をきっかけにEUは問題から目を背けてきたツケを払わされることになったのです。

今回の会議は、危機へ対応するための経済政策を話し合うことがゴールなのではなく、危機の根っこにある、上に挙げたような諸問題を話し合い、その成果を政策に落とし込むことをゴールとしています。 つまり、「経済というメガネを使ってEUを見てみよう!」というのがこの会議の本質であり、メガネをかけることで見えるEUやユーロの問題を、経済政策を利用してなんとかしようというのが議題の趣旨なのです。

参考文献・URL

田中素香(2010)『ユーロ 危機の中の統一通貨』岩波新書
藤井良広(2010)『EUの知識〈第15版〉』日本経済新聞出版社

会議テーマ

テーマ:「みんながつくる会議」


この会議は、いつもの会議では怖くなってしまったり、経験が少なくて圧倒されてしまったりする方々をメインのターゲットとしています。 誰もが意見を言いやすい雰囲気と意見が真剣に検討されやすい環境を整えるため、全ての参加国・機関が会議冒頭でスピーチを行うようにしたり、全ての国に「拒否権」を持たせたり…と、 会議監督の私も試行錯誤しながら、普通の会議とは違った仕組みを作るべく必死に頭をひねっています。

欧州連合(EU)の会議は、いわば「船」の行先を決める会議です。 参加国はEUという船を世界という「海」の中でちゃんと動かすことと、船内で自分にとって心地良い環境をつくることの両方を考えなければいけません。 自分の利益だけに突っ走ったところで、乗っている船がアメリカや日本といった「ライバル船」に追い越されたら意味がないからです。 つまり、この会議では国際益(EUとしての利益)と自国益を両立することが、いつもの会議よりもシビアに求められるのです。

ディレクインタビュー

岡崎 太(おかざき ふとし)
立教大学経営学部3年生






今、EUを考える。
国々は、助け合い、信じあい、そしてわかりあうことができるのか。
EU Summit 会議監督 岡崎さんに伺いました。

―議題の簡単な紹介をお願いします 。

おととしくらいにヨーロッパで起きた経済問題を話し合う…って感じですね。
なんか、すごく簡潔にまとまっちゃってますが(笑)

―なぜそのような議題を選んだのですか?

うーん、一番は「身近さ」ですかね。去年あたりまでけっこう頻繁にニュースにもなってましたし、日本の経済とか政治にも大きな影響を与えてますし。
でもそんな身近さの一方、「経済よくわかんなーい」って人が私の回りにすごく多くて(笑)。            別に私は経済学部でもないんですけど、この分野で会議をやって、経済の食わず嫌いを解消するお手伝いをしたいなぁと思ったんです。
あとこれは超個人的な感想なんですが、模擬国連やってる方って開発とか援助とかにすごく興味をお持ちなのに、お金関連に疎い方がけっこういらっしゃるかな、と思うんです(笑)。 何をするにもお金は必要で、実は経済界で起こっていることが開発・援助の世界にも大きな影響を与えてたりします。 この議題は、単純に経済のことを考えるだけじゃなく「国とお金」っていう問題にまで深められるものなので、後々へのインスピレーションにもなるんじゃないかなぁ、とか勝手に思ってます(笑)

では、この会議では具体的にどのようなことが話されるのですか。
また、どのような対立軸が予想されますか ?
えー、まず話し合いの内容ですね。これも手短に言うと、「どうすれば今(2011年)の経済状況から良い方向に行けるんだろう」ってことです。 たくさんの人が失業して、株価も下がって、モノは売れなくて…っていう状況を改善するために、政府や欧州連合(EU)が何をするか、ってのが大まかなポイントです。
難しそうですか?話し合いの内容、というか論点はBGでかなり細かく説明するのでそれを読んでもらえば大丈夫です。たぶん(笑)。
次は対立軸ですね。なんかこういう図出すといかにも経営学部って感じになっちゃうんですが(苦笑)、私がおおざっぱに想定してる各国のポジショニングはこんな感じです。


            


座標の意味が気になりますか?だったら是非この会議に申し込んでください!!(笑)
大まかに言うと、ある論点では上半分と下半分に属する国が、別の論点では右半分と左半分に属する国が対立することになります。 まあ、ここの詳細もBGで解説します。

―この会議には何か特殊な設定があるそうですが 。

全部ペアデリ、っていうのは大きな特徴ですが、それ以外でも結構……いや、なんかもう全て特殊ですね(苦笑)。
詳細はBGに書きますが、議長がデリとして募集されてたり、全ての国に拒否権があったり、あとは会合がほぼ全て非公式討議だったり。
ソフト面で言うと、国割確定直後から会議終了まで、それぞれのペアにフロントが1人「メンター(アドバイザー)」として付く、なんてのも普段は無い試みかなと思います。 フロントは話しやすい人ばかりを集めたので、気軽に相談ができる環境になってます♪

―この会議の魅力はなんですか?

まずは議題の魅力として、「パターンが全くない」ってことを挙げます。上でもちょっと言いましたが、論点によって対立国・協調国がかなり劇的に変わるんですね。 なので既存のグループに流されることなく、その時々で想像力を働かせることができる議題だと思います。
ただ、最終的には1本の決議をまとめなきゃいけないので、普段の会議以上に国際益(EU全体の利益)を考えることと全員が協力することが必要になります。 国連の会議みたいに「揉めたら最悪投票で…」とか「決議を2本出して…」とかいうのは通用しないんです(笑)
会議全体の魅力としては、徹底的に「手と口を動かす」会議だ、ってことでしょうか(笑)。 会議前は多めのタスクをこなすために、すごく書くことが多くなると思いますし、開会後は論点ごとに自分の立場を押し出していかなきゃいけないのですごくしゃべることが多くなると思います。
え、こんなの魅力じゃないですか?(笑)。でも、ちゃんとプログラムさえこなしてくだされば、申し込み時のレベルがどうであろうと参加費以上のリターンをご提供できるようになっていると思うので、会議の魅力ってことにしといてください(笑)。

―どのような人に参加してほしいですか?

もちろん、どんな方でも大歓迎です。
でも特に、「これから模擬国連を頑張りたい」「今はよくわかんないけど、経済のこと知ってみたい」っていう方に来ていただけると嬉しいですね。 上でも言いましたが、タスクをこなそうという思いがあれば参加時のレベルは問わないので、新入生や模擬国連を始めたばかりの方に是非来ていただきたいです!(あ、そこの神メンさんも、もちろんお待ちしていますよ!笑)

―参加者にはどのようなことを望みますか?

上で言った「タスクをこなす」「発言する」っていうのはもういいとして(笑)、交渉にあたっては柔軟な振る舞いをしてほしいですね。 「論理さえ正しければみんなが従うはずだ」って考えはこの会議と全く相容れません(笑)。 論理を振りかざすのではなく、物腰柔らかに交渉しながら譲れるところは譲り、譲れないところは踏みとどまる…そんなしなやかさを持っていただければなぁ、と。
あとは、自分の良さに目を向けることを忘れないで欲しいです。「私は○○ができない」って言ってるうちは、たぶん次のステップに進めない気がするので…。 今の自分にはどんな長所があるのかをしっかり考えて、この会議を利用してそこを伸ばしていただけたら、もうこれ以上の喜びはないです。

―最後に、会議監督として意気込みをどうぞ!

うわー、こういうの苦手なんですよ!!(笑)
なんでしょう、とりあえず、参加者の方に求める物が多い分、監督の私が誰よりも努力することはお約束します(笑)。 実は私、全国規模の大会に出たことがまだ1回しかなくて、下手な2年生よりある意味よっぽどビギナーなんですが(笑)、そのぶん柔軟にいろいろやってみたいと思います。
他の会議もすごく楽しいと思いますが、EUの議場でお会いできる日を楽しみにしています!!

岡崎さん、ありがとうございました!!

国選びのポイント

会議監督のみなさんに、自身の会議で担当国を選ぶ際のポイントについてお聞きしました。


 まずこの会議の対立軸についてですが、私(岡崎)は大きく2つを想定しています。 会議で話し合われるほとんどの論点で、この2軸を中心とした議論が行われると予想しています。 各国のポジションについてはディレクインタビューに載せた図がざっくり示していますので、 ここではそれぞれについて少し深く見てみましょう!

1, 現在の危機に対応するにあたって緊縮財政を重視するかどうか
  この対立軸は、「あなたたちは借金まみれなんだから、まずは節約してください!支援はそれからです!(緊縮財政重視)」という国々と、 「いや、節約ばっかじゃますます景気が悪くなるから、ある程度の節約をしたら積極的にお金を使わせてください!だからそのための支援を!(経済成長重視)」という国々の対立です。
  主張からなんとなくわかると思いますが、「節約」を重んじるのは主にドイツやECB(欧州中央銀行。ユーロ通貨を管理する機関です)といった支援する側です。対して、「ある程度の節約をしたら、景気回復のためにお金を使わせて!」と主張するのはギリシャやスペインといった支援される側の国です。
ユーロ未参加の国々については、そのポジショニングに色々な理由があります。例えばイギリスは「とにかく今の危機を落ち着かせて自国の金融産業を回復させたい」という思惑から緊縮財政を支持するでしょうし、逆にハンガリーのように「EUによる内政(財政を含む)干渉」を嫌う国は経済成長に寄った主張を展開するでしょう。

2, 将来の安定性を高めるため財政統合を行うべきかどうか
 この対立軸は、「同じお金を使ってるんだから、その使い方もあわせていきましょうよ(財政統合推進)」という国々と、「いや、お金の使い方(=財政政策)にまでEUが口をだすのは主権侵害だ!(財政統合慎重)」という国々の対立です。
 財政統合を推進するかどうか、というのは結局「EUにどこまで自国の主権を移譲するか」という話になります。EUの各機関や、ベルギーのようなEUへの信任が厚い国はすんなりと統合を主張するのでしょうが、イギリスのように国会議員でさえ「EU脱退」を主張するような国にとってはそもそも「統合」などありえない話です。 ここの隔たりには対立軸1以上の根深さがあります。

1と2があわさると?
 この会議で面白い(と岡崎が勝手に思っている)のは、対立軸1と2で「同じ側」にいる国がかなり変化する、ということです。 ECBとスペインのような、一見すると「支援する・される」という立場で相容れなさそうなアクターも、財政統合の話となれば共闘するでしょう。逆に、ドイツとフランスのように共同でEUのリーダーシップを担っている国々も、ホンネはかなり違ったりします。
 実際の議論で示される論点は、これら対立軸を「含む」ものです。言い換えると、「今話し合っていることは対立軸1に沿った問題なのか、2に沿った問題なのか?」ということは必ずしも明示されないのです。なので、どこの国を選んでも、会議の流れを時々刻々と判断する必要があります。

で、結局…??
 「国選びのポイント」と言いながら脱線しまくっていますので(苦笑)、そろそろ本線に戻ります。笑
 まず、「積極的に会議を引っ張りたい!」という方は言うまでもなく議長に申し込むことをおすすめします。まだ断定的なことは言えないのですが、会議の中で議長にのみ許される会議行動も少なからず設定する予定なので、そうしたものを駆使して会議を引っ張っていってください。 また、「議場に影響を与えたいけど、会議を直接引っ張るのはちょっと…」という方にはドイツ・フランス・ECBをおすすめします。全加盟国の平等をうたうEUとはいえ、やはりお金を持っているアクターの存在感は絶大です。
 次に「目立つわけでもなく、ウラで策略を巡らせてみたい」というちょっぴりブラックな好奇心には、エストニア・オランダ・デンマーク・ベルギー・ポーランド・IMFをおすすめします。もちろん謀略など考えず、正々堂々勝負することも出来る国々ですが、上手くやれば「影の実力者」になるのも夢ではありません。
 「支援される側って何を考えてるの?」という、なかなか日本に居ては考えないことを考えてみたい方々には、イタリア・ギリシャ・スペイン・欧州委員会をおすすめします。欧州委員会はオブザーバー機関ですが、EUの政策立案を担うものであり会議での存在感は絶大です。
 最後に、イギリス・チェコ・ハンガリーです。この3ヶ国はEUに加盟しながら、EUの統合に特に慎重な国々です。「仲良しクラブ」とは程遠い今のEUを、ちょっと引いた目線から見てみたい方は、ぜひぜひチャレンジしてみてください。

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