国連が設立されて最初に採択された決議は、核兵器他大量破壊兵器の不拡散並びに廃絶に向けたものでした。それから61年――世界はどのように動いてきたでしょうか。世界は、核削減・核不拡散のために様々な協定を結び、核の問題に対応してきましたが、冷戦時に最大7分前を示した「核の終末時計」は、2007年1月時点でもはや5分前を示しており、世界情勢はますます緊迫したものとなっています。
世界的な核の包括的削減プロセスに最初に踏み出した核不拡散条約(NPT)は、1970年に発効したものの、核兵器国とそれ以外の非核兵器国との間で義務の平等性をめぐり議論は紛糾し、2005年の再検討会議は崩壊しました。次になされた世界的な枠組みは1996年の包括的核実験禁止条約(CTBT)の署名開始でしたが、これもいまだ一部の核兵器国の反対により発効には至っていません。
核兵器の削減及び不拡散は、核兵器及び核兵器用の核物質を持てる一部の国にのみ課された義務でしょうか。もちろん違います。パキスタンのカーン博士の「核の闇市場ネットワーク」は、広くアフリカにも及んでいましたし、テロリストが核兵器を持つ可能性も依然なくなったわけではありません。世界が団結して核兵器の廃絶を訴えない限り、解決する問題ではないのです。
今会議の議題は、第3世代の条約と言われる核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(通称カットオフ条約)の検討です。1993年に、クリントン元米大統領が提唱したことがきっかけで議論がはじまり、1995年にはジュネーブ軍縮会議(CD)にて条約交渉開始の基本合意がなされたにも関わらず、これまで条約交渉は開始されていません。核兵器国及びNPT未締約国の、核爆発装置のための核物質生産を停止、他国は生産のための援助を一切しないという、いままでにないほどの高い目標をかかげたカットオフ条約の交渉開始のために、今何が必要なのでしょうか。
カットオフ条約の交渉はCDにて行なわれることが決まっていますが、今会議は国連総会にて、会議参加者にはカットオフ条約の枠組みそのものの検討をしていただきます。今大会のテーマである「発信」をどのような形で行なうことが、世界に、軍縮会議に、各国に、各市民が行動を促すことにつながるのかを考えてもらいたいと思います。
※ ニューズレターvol.6に山崎ディレクのインタビューが掲載されていますので、そちらもご参照下さい。