勉強会で出た質問の回答

ここでは勉強会で出てきた質問の回答を行います。

勉強会で出た質問への解答


第2回勉強会


                         文責 七滝尚

・国連よりもG8のほうが金を持っていそうなのに国連ICTタスクフォースのほうがドット・フォースより資金が豊富となっているのはなぜか?

まずその理由はドット・フォースというものに与えられていた目的に答えを求めることができると思います。ドット・フォースに当初与えられていた目的 は、「G8のための戦略」を作ることで、その戦略を実行に移すことはドット・フォースの目的には入っていませんでした。しかし、ジェノバサミットにおいて、各国の首脳がドット・フォースにその策定した戦略(ジェノバ行動計画)の実行を求めたためにドット・フォースは本来の目的には無かった戦略の実行まで することになりました。つまり、「ドット・フォースはその策定した戦略の実施のために使うリソースは持っていなかった(あったとしてもほんのわずかだった)」のです。

 

                         文責 堀内綾乃

・人間開発とはどのようなことか?

開発の基本的な目標は人々の選択肢を拡大することだ。これらの選択肢は原則として、無限に存在し、また移ろいゆくものである。人は時に、所得や成長率のように即時的・同時的に表れることのない成果、つまり、知識へのアクセスの拡大、栄養状態や医療サービスの向上、生計の安定、犯罪や身体的な暴力からの安全の確保、十分な余暇、政治的・文化的自由や地域社会の活動への参加意識などに価値を見出す。開発の目的とは、人々が、長寿で、健康かつ創造的な人生を享受するための環境を創造することである

とマブーブル・ハックが言ったように、人間開発が扱うのは国民所得の増減に留まらない。人間開発とは、人々が各自の可能性を十全に開花させ、それぞれの必要と関心に応じて生産的かつ創造的な人生を開拓できるような環境を創出することだ。人々こそがまさしく国家の富であり各々にとって価値ある人生を全うすることを人々に可能とする、選択肢の拡大こそが開発なのだ。従って、経済成長は、開発にとって重要ではあるものの、人々の選択肢を拡大するための一つの手段にしかすぎない。

 このような選択肢の拡大の基礎となるのが、人々が人生においてできること、なれるものの幅を広げること、すなわち人的能力(human capabilities)の育成である。人間開発のための最も基本的な能力は、長寿で健康な人生を送ること、知識を獲得すること、適正な生活水準を保つために必要な資源を入手すること、そして地域社会における活動に参加することだ。これらの能力を獲得できなければ、そのほかの選択肢にも手が届かず、人生における多くの機会を逸してしまうのである。  経済物資や金融資産といった目前の課題によって忘れられがちだが、開発に対するこのような視点は、特に目新しいものではない。哲学者、経済学者および政治的指導者等は古くから、開発の目的・最終目標として人間の福祉(well-being)を強調してきた。  この「他のもの」を追求する過程で、人間開発は人権と一つの目的を共有している。その目的とは人間の自由である。この自由は、能力を希求し、権利を実現する過程で必要不可欠なものだ。人々には、選択の権利の行使と、人生に影響を及ぼす意思決定への参加の自由が確保されるべきである。人間開発と人権は、相互に強化し合い、全ての人々の福祉と尊厳の確保に、自尊心と他者に対する尊敬の念の醸成に貢献するものである。


第3回勉強会


                         文責 金口剛久

・ソフトウェア企業(例:MSなど)の途上国内の独占によって、どのような不利益が途上国に及ぶか?

不利益として三点ほど考えられる。
1:) 国内ソフトウェア産業の育成が、企業の市場独占によって阻害されてしまう。将来的な雇用の増加や、国内市場におけるソフトウェア価格の低下など、さまざまなメリットを捨ててしまう可能性が高い。
2:) 独占企業が提供するソフトウェア価格が、途上国内の経済力と相対的に比べたとき高くなり、情報インフラ整備など莫大なコストがかかってしまう。
3:) 国内ソフトウェア企業が育っていないため、ネットセキュリティーに関して、独占ソフトウェア企業に依存しやすく、イニシアティブを取られてやすい。

こうした現状を解決する手段として二点ほど挙げられる。
1:) 国内ソフトウェア産業を国家が保護すると同時に、国内市場に規制をかけ、独占行為を阻害させる。 
2:) オープンソースウェア(フリーソフトウェア)の活用や、多国間が連携するソフトウェア開発を実施(こちらは途上国、先進国問わず様々な国で実施されている)。

参考資料として、以下のリンクを挙げるので興味がある方は見てください。


                         文責 川埜祐介

・オープンソースソフトウェアとは?

ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを、インターネットなどを通じて無償で公開し、誰でもそのソフトウェアの改良、再配布が行なえるようにすること。また、そのようなソフトウェア。そしてこのソースコードがあれば、そのソフトウェアの類似品を作成したり、そのソフトウェアで利用されている技術を転用することが容易に可能なため、企業などでは自社の開発したソフトウェアのソースコードは極秘とし、他社に供与するときにはライセンス料を取ることが多い。

Open Source Initiative (OSI)の定義である”The Open Source Definition (OSD)”によると、オープンソース・ライセンスの要件として、以下のような基準が挙げられている。

  1. 自由な最頒布が出来ること
  2. ソースコードが入手できること
  3. 派生物が存在でき、派生物に同じライセンスを適用できること
  4. 差分情報の配布を認める場合には、同一性の保持を要求しても構わない
  5. 個人やグループを差別しないこと
  6. 適用領域に基づいた差別をしないこと
  7. 再配布において追加ライセンスを必要としないこと
  8. 特定製品に依存しないこと
  9. 同じ培地亜出配布されるほかのソフトウェアを制限しないこと
  10. 技術的な中立を保っていること

第4回勉強会


                         文責 植田教子

・ドメイン管理とはいかなるものか?

ドメイン名はいわば、インターネット上の住所であり、インターネット基盤を支える重要な資源として管理されている。「.com」のような、国の区別なく世界中で自由に取得可能な分野別ドメイン名、「.jp」のような国別ドメイン名の大きく2種に分かれる。それを総括的に管理しているのがICANNというわけ。分野別ドメイン名は米国VGRS社をはじめとする登録管理組織、jpドメイン名は日本のJPRS社によって管理されている。

・自国にルートサーバーがあることで、アメリカはどんな利益を受けているのか?
・自国にルートサーバーがあることで、アメリカはどんな利益を受けているのか?

恣意的な情報操作が可能。例えば、米国がテロリストを支援していると決め付けた国のドメインネームを中央データベースからはずしてしまえば、その国はインターネットから締め出されることになる。など。

また、登録管理業務に関しては民間に委託されていて、「.com」[.net]を登録する世界中のすべての企業から、1社あたり、年間6ドルが支払われるそうだ。

参考までに、発展途上国では元来からインターネットに接続をしていた西側諸国が、コンピューターの接続に必要な有効なアドレスをほとんど使ってしまい、発展途上国が利用できるアドレスが限られてしまうことになりうる。といったことも危惧されている。