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9月25日 第一回勉強会 夏休みの終わりに神戸研究会の後期活動が一足早くはじまり、今回の活動では会員による議題解説がありました。 論点に直結するような話もありましたが皆真剣に聞き入っていたようです。 一つ目の議題解説は、「世界におけるHIV/AIDS」でした。新メンでは初となる議題解説でしたが、 エイズの感染経過、現在の世界におけるHIV/AIDSの状況、そして何故HIV/AIDSは蔓延するのかなどの基本的な知識を 丁寧に解説しました。 HIV/AIDSは世界中で蔓延をしていますが、 流行の仕方はその国の地理的条件、経済状況、文化など様々な要因によって特徴付けられるため その程度や特徴は地域ごとに大きく異なっています。 この次の議題解説、「アフリカにおけるHIV/AIDS」 では特にHIV/AIDS患者が集中しているアフリカについて解説を行いました。 二つ目の議題解説はアフリカにおけるHIV/AIDSについてでした。 世界の患者の3分の2が生活するアフリカです。 今回の議題解説の前半では何故アフリカにこれほど集中しているのかなどアフリカとHIV/AIDSの関係 について詳しく解説をし、さらにウガンダのHIV/AIDS対策などの実例も挙げつつ今後の展望についても触れました。 後半部ではアフリカから離れて医薬品のアクセス問題についての簡単な説明を行いました。 現在アフリカをはじめとする途上国では、高価な医薬品を購入する事が出来ない人が大勢います。 しかしその一方で医薬品の開発には多大な労力や費用がかかるのも事実です。 したがって開発者が開発に費やした費用を回収しようとする事は当たり前のことともいえます。 開発者側と薬の利用者、この両者の思惑の違いや対立は今回の会議の争点の一つであるため 来週の議題解説ではさらに詳しく解説を行う予定です。 ・フォローメール
議題解説@「世界におけるHIV/AIDS」
阿部綾子
《《議題解説A「アフリカにおけるHIV/AIDS」》》 みなさんこんにちは。神戸外大2回生の今井和昌です。今回は、僕が25日に行なった 「アフリカにおけるHIV/AIDS」に関する議題解説の内容復習を 行なっていきます。 前回欠席された方は、神戸研のHPからレジュメを手に入れて、以下の内容を導入とし て利用して下さいね。 まず、議題解説の前半部では「アフリカにおけるHIV/AIDSの特徴と原因」について考 察しました。 ●世界中のHIV感染者の内、その3分の2以上がアフリカに集中しており、特にサハラ 以南のアフリカでは感染者数が2700万人以上存在するという現状 が存在する。 ●その原因として、 1、教育や情報の不足(予防法が分からない、感染者・患者への偏見や差別助長) 2、女性の地位の低さ(避妊率の低さ、一夫多妻制による感染リスクの拡大) 3、男性の出稼ぎ労働(出稼ぎ労働者が都市でセックスワーカーと関係を持ち、HIV に感染して農村へ持ち帰る構図) 4、HIV以外の性感染症の拡大(性感染症に罹っていると、通常に比べてHIV感染率 が2〜5倍になる) 5、貧困(上記1〜4の根源的要素として捉えることが出来る) の5つを挙げることが出来る。 ●貧困問題とHIV/AIDSの問題は関連性が極めて高いと言うことができる。 次にその貧困が原因で助かるはずの人々がそうならない現状の端的な例として、エイ ズ薬の問題を取り上げました。この箇所は、後期シミュの論点を理解する 上での基 礎となる部分なので、しっかり復習しておいてください。 ●エイズ対策には、すべての感染症がそうであるように 1、予防 2、治療 の2つを車の両輪として進めていく必要がある。 ●予防の面では、国際機関による援助活動が存在する(国連人口基金、GFATM等) が、慢性的な財政不足。 ●治療の面では、現在HIV感染者の発症を遅らせる薬や患者の長寿を可能にする薬が 存在し、効果的な治療が可能となっている。感染者・患者ともに突出し ているアフ リカでは、それらエイズ薬による治療によって労働力の確保が可能となる側面もあ る。 ●しかし、エイズ薬開発には膨大な時間と資金を必要とする為、製薬会社(ほとんど が先進国に遍在)は自ら開発した薬を特許によって保護し(知的財産権の 保護)、 それによって他者による模造を禁止し同時に高値で販売する。 ●貧困のため高価なエイズ薬を購入できないアフリカ諸国をはじめとする途上国は、 特許のため自国で製薬技術を模造して安いエイズ薬を作ることも出来ない。 つまり、先進国は知的財産権を重視し、途上国は医薬品のアクセス権を重視するとい う、互いが相反する立場に立っているという構図が見受けられ、これが今 回のシ ミュでの主要な対立軸となります。実際の国際社会においては、知的財産権を国際的 に保護する意図の下に策定されたTRIPs協定に始まる先進国と 途上国の交渉が存在し ます。その流れをしっかり自分のモノにすることが決定的に重要なので、みなさんに はBGの5章と6章を熟読した上で、次回10月2 日の勉強会に臨んでいただきたいと思い ます。「TRIPs協定」「強制実施権」というキーワードが出現するので、それらがど のような物なのか認識した上 で勉強会を迎えてもらえれば幸いです。 それでは、10月2日にお会いしましょう。 今井和昌
・質問に対する返答
今井和昌
配布物 ・Press Release (html) (word) ・議題解説レジュメ「世界におけるHIV/AIDS」 (html) (word) ・議題解説レジュメ「アフリカにおけるHIV/AIDS」 (html) (word) ・お土産 |
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10月2日 第二回勉強会 10月2日に第二回勉強会がありました。今日の議題解説の内容はTRIPS協定とジェネリック薬でした。 これらは会議の論点に直結する内容ですが、解説者の二人が非常にわかりやすく解説をしてくれました。
・フォローメール 種市 苑美
議題解説C「ジェネリック薬、及びエイズ問題解決に向けて」 大川孝司
・質問に対する返答 こんにちは。今回は前回質問のあったところについて補足していきたいと思います。 まずインドが2005年以降ドーハ宣言にそってジェネリック薬の生産が可能なのでは ないか、ということについてですが、 ドーハ宣言では公衆衛生の保護のために強制実施権を発動できるようにTRIPs協定 を柔軟に適用することが認められてます。つまり、強制実施権を発動することによ り、ジェネリック薬の生産が可能になったわけです。その点では、確かにインドでも 強制実施権を発動することで生産は可能です。 ただそそれまでのように自由に生産する、というのは厳しいです。強制実施権はあ くまで国家緊急事態に発動できるものですし、それまで輸出用にも作っていたインド が今後も同様に作れることはないでしょう。また、インドもエイズ患者が多くいます ので国家緊急事態と言えそうですが、先進国からはやはり圧力がかかりますし、国家 緊急事態の宣言というのは一国家として、できればやりたくはないことです。 これらを考えても生産可能かどうかというのは不透明な点が多いと言えます。別の 観点から見ると、ドーハ宣言は単に宣言であるのに対し、TRIPs協定というのはWTO加 盟国に義務付けているものであるということから、TRIPs協定の方が比重が重いとも 言えます。 次にドーハ宣言と、米国と他国の地域間協定はどちらが優先されるか、についてで すが、 これは地域間協定が優先されます。上で述べたように、ドーハ宣言には法的拘束力 がありません。(もちろん2003年8月の合意も同様です。)米国は多国間交渉の場で はあまり強く言わずに二国間協定で知的所有権の最低限を定めたTRIPs協定より高い 基準を求めてきています。(もちろん裏では様々な見返りを出してはいますが…) 次にWHOの品質保証についてですが、 品質が認められているのは、インドのシプラ社、ヘテロ社、ランバクシー社、スペ インのコンビノ・ファーム社です。このうちスペインのコンビノ・ファーム社につい てなぜジェネリック薬が作れるのか、ということについてですが、この会社は期限の 切れた薬を開発している、ということです。つまり、特許保護期間中のものではなく 特許保護の切れた薬のコピーを行っている、ということです。もちろんエイズ薬を 作っている会社で世界でも数少ないジドブジンと呼ばれるエイズ薬を供給している会 社です。コンビノ・ファーム社についてはhttp://www.combino-pharm.es/に詳しく 載っていますのでこちらも参考してください。 以上です。またなにかありましたら連絡してください。 大川孝司
配布物・Press Release (html) (word) ・議題解説レジュメ「知的財産権保護と医薬品アクセス」 (html) (word) ・議題解説レジュメ「ジェネリック薬、及びエイズ問題解決に向けて」 (html) (word) ・執行部役職紹介(会長) (html) (word) ・執行部役職紹介(総務) (html) (word) ・ディベート準備用課題 (html) (word) ・お土産 |
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10月9日 第三回勉強会 10月9日に第3回の勉強会がありました。今回は議題解説ではなくディベートを行いました。 いつもの議題解説はなかったのですが、会員にはおおむね好評だったようです。ディベートは以下のような形としました。
シミュレーション期に入る前に自分がどの程度のことしか知らないのかがよくわかった、 これから何をリサーチすれば良いのかがなんとなくわかった、 国にとらわれずにはなせたので話しやすく、また全体の対立などの構図がよくわかった、 などの評価の言葉が多かったですが一方では話す人が偏った、 まだ知識がしっかり見についていないのであまり口を出せなかった、あるいは内容の薄いことしか話せなかったという声も聞かれました。 それぞれのグループで話し合った結果、シミュレーションの内容がうっすらとではあるが見えてきた人が多かったようです。 今度の勉強間は2週間後ですがその次の週はもうシミュレーションに入ります。 今日学んだことをしっかりと生かしてシミュレーションに向けたリサーチを行いましょう。 配布物・Press Release (html) (word) ・ディベート準備用課題解答 (html) (word) ・16日のお知らせ (html) (word) ・後期活動国割り表(暫定版) (html) (word) ・前期会計報告 (html) (word) ・執行部役職紹介(研究) (html) (word) ・執行部役職紹介(情報処理) (html) (word) |
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10月23日 第四回勉強会 10月の23日に最後の勉強会を行いました。 今回の活動内容はワクチンに関しての解説と今までに出てきた各論点の解説でした。 ワクチンに関する議題解説ではまずワクチンとはそもそもどういうものなのかを簡単に説明し、 そのにエイズのワクチンについての解説をしていきました。 エイズワクチンはそのウィルスの特性や危険性などの様々な理由から開発が困難とされています。 また実用化には不可欠の臨床試験の際にもやはり多くの問題があります。今回はその問題の 一つである臨床実験時の補償問題について取り上げました。 論点の解説では今までに出てきた論点と多少の変更点について話をしました。 今までの論点に関する部分では医薬品アクセス問題の経緯と共に、現在の状況や 会議ではどのようなことに注意するべきなのかを図を用いてわかりやすく示しました。 しっかりと内容をつめた講義はとても内容が濃く、聞き応えがあるものだったと思います。 来週からはシミュレーションが始まります。前期以降の各大会や合宿、そして個人で学んだことなどを総動員して しっかりと頑張ってください。ワーキングペーパーを提出したい人はフロントにメールで事前に提出するか、当日持参してきてください。 配布物・Press Release (html) (word) ・議題解説レジュメ「臨床試験中、被験者がエイズに感染したときの保障の問題」 (html) (word) ・議題解説レジュメ「論点整理」 (html) (word) ・後期活動メールアドレス表(非公開) ・執行部選出会議スケジュール (html) (word) 提出物 ・ワーキングペーパーは出来る限り金曜日までにメール等でフロントに提出してください。 ・前期の活動でメールアドレス表に書かれているアドレスの確認をしませんでした。そのため 間違いなどが多発しメール交渉の妨げとなりました。 後期では事前に確認のメールをそれぞれのアドレスに送りますので各会員は必ず返信をしてください。 |
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10月30日 後期シミュレーション第一会合 ------------------------------------------------- 【神戸10/30】 去る10月30日、神戸にて約30の参加国を集めて 第28回HIV/AIDS特別総会が開催された。同会議は、昨年8月30 日の医薬品アクセス問題におけるTRIPS理事会での合意を受け、 今後の国際的な医薬品アクセス体制の確立を主要な議題としてい る。 2001年11月ドーハで開かれた第4回WTO閣僚会議で採択された 「TRIPS協定と公衆の健康に関する宣言(ドーハ宣言)」では、知的 所有権保護や個人の商業利益のために公衆衛生保護を妨害して はならないとした上で、現行のTRIPS協定下では、医薬品製造能力 が不十分または欠如しているWTO加盟国による強制実施権の行使 が困難であるということを認めた(パラ6)。この問題にようやく決着をつ けたのが昨年の830合意であり、一定条件下(ウェーバー条項)にお いては、医薬品に特許があったとしても医薬品製造能力が不十分ま たは欠如している国に対し、ジェネリック薬を生産して輸出できる制度 が決められた。この合意から1年余りが過ぎたが、この制度はまだうまく 活用されていないのが現状である。2005年のTRIPS協定履行の猶 予期限を目前に控え、830合意をどのように運用していくべきか、各 国の方針がこの日は述べられた。 開会は議長の井床利世氏より宣言され、公式討議に入った。この 日はSpeaker's Listは11カ国消化され、途中に大小合わせて3回の コーカスが導入された。 各国の発言趣旨は以下の通り。 -------------------------------------------------- Japan:エイズ問題は国際社会の発展を妨げるものであり、単なる南 北問題と捉えてはいけない。医薬品の進歩に対する各国の協力を求 めたい。医薬品の輸出入に関して新たな制度が必要。 South Africa:基金を通じた資金提供が必要。特許の重要性を確 認した上で医薬品アクセスを向上させるべき。Working Paperの提出 (WP.1) China:国内のエイズ患者は世界で第4位に。独自でARVを含む臨 床試験を実施。包括的な治療システム、サーベイランスシステムの 確立に向けて努力。 India:エイズ薬の重要性を認識。3 by 5イニシアティブにおいて45% 薬を提供できていない現状は深刻。GFATMの重要性を指摘。女 性の地位向上、IT活用など幅広く議論したい。 TRIPS協定の改 正を踏まえたドーハ宣言の実効化を目指したい。Working Paperの 提出(WP.2) Sweden:エイズ感染者の半数が女性であり、移民からの感染が増 加。エイズ政策を他の北欧諸国とともに優先政策として位置づけ。 北欧4カ国で5400万US$を国連に投資、資金の必要性を示してき た。 Canada:提供された医薬品のモニタリング制度の確立を。830合意 の確立からがスタート、基準に対する大まかな原則、方向性を今会 議で示したい。地域に関らず協力体制を。Working Paperの提出 (WP.3) Rumania:エイズ政策のひとつとしての教育インフラの整備を優先的 に進めていくべき。 Colombia:強制実施発動の際、輸入国のために純粋に薬を提供し てくれる国、企業が存在するのか、その保証はあるのかという点を830 合意の問題点として認識。 UK:今会議の意図を今一度確認すべき。エイズ問題の脅威が、昨 今のテロに匹敵するほどのもの。エイズという一つの感染症に対する 国際的共闘は賞賛に値する。830合意を踏まえ、ODAによる医薬 品補助、ブランドの低価格化の努力といった、現状を肯定的にとら える努力を要請。 Switzerland:子どものエイズ患者が2003年現在250万人であり、 何らかの行動が求められる。830合意の中で一定の迂回防止措置 は備わっていると認識。その中で新たな迂回防止措置の必要性に 疑問を感じる。 Cambodia:WTO加盟を喜ばしく思う。アセアン内で各論点ついて話 し合いたい。 ------------------------------------------------- なお、この日はWorking Paperが3枚、南アフリカ政府(WP.1)、イン ド政府(WP.2)、カナダ政府(WP.3)よりそれぞれ提出されている。この 日のコーカスは主にアメリカ、日本、スイスといった国内に多国籍製薬 企業を抱える国を中心としたグループと、南アフリカ、インド、カナダを中 心としたさらなる医薬品アクセスを求める国のグループが形成され、今 後この2つの大きなグループを軸に議論が交わされると予想される。こ の日のミーティング延期後、さっそく各国間でのメールでの交渉が活発 になっており、包括的な宣言案作成に向けての動きが加速していくこと になるだろう。 次回の会合は11月6日(土)、西宮にて再開されることになる。次の ミーティングが終われば最終会合合宿まで1回のミーティングを残すの みとなり、いかに早く、かつ確実に合意を取って包括的宣言案を出す ことが出来るかが鍵となりそうだ。 【神戸=西山嘉威】 次回以降のSpeaker's List Uganda, Botswana --------------------------------------------------- 【編集後記】 こんばんは、ディレクの西山です。プレスリリース1号はいかがでしたか? 後期シミュレーションの議事録は、プレスリリースという形でみなさんにお 届けしたいと思っています。さて、いよいよ11月が始まってしまいましたが 今年も残すところ2ヶ月を切りました。後期活動も驚くほどあっという間に 終わってしまいます。いろいろと忙しいと思いますが、限られた時間の中 でシミュレーションを楽しみましょー。ぼくも頑張ります。あと、残りのスピ ーカーズリストが2カ国しか登録されていません。このままだと会議が終わ っちゃうので、今週のシミュではみなさん是非スピーチをしてください!今 回は全員が一度はスピーチできればなと思っています。 では、メール交渉頑張ってください。2ndシミュでまたお会いしましょー。 配布物・Press Release (html) (word) ・Working Paper1 by Sauth Africa (html) (word) ・Working Paper2 by India (html) (word) ・Working Pape3 by Canada (html) (word) 提出物 ・ワーキングペーパーは出来る限り金曜日までにメール等でフロントに提出してください。 ・前期の活動でメールアドレス表に書かれているアドレスの確認をしませんでした。そのため 間違いなどが多発しメール交渉の妨げとなりました。 後期では事前に確認のメールをそれぞれのアドレスに送りますので各会員は必ず返信をしてください。 |
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11月6日 後期シミュレーション第二会合
----------------------------------------------------------- 【11/06=神戸】第28回HIV/AIDS国連特別総会第2会合は29ヶ国の代表 を集めて、11月6日午後、神戸にて行なわれた。この日は2時間に渡って開 催され、各国代表は決議案の作成に向けて調整を行なったが、会議の方向 性はいまだ定まっていないようだ。 前回の会合では、アメリカ、イギリス、日本、スイスを中心とした先進国グル ープとカナダ、南アフリカ、インドを中心とした医薬品グループの2つの大きなグル ープ形成が見られたが、今会合でもこれらのグループを軸に会議が動いていっ た。医薬品グループに関しては、会合一週間前の非公式交渉などを通じて地 域内での活発な意見調整があったとみられ、インドやASEAN諸国を中心とする アジアグループは決議案作成に向けた調整に終始徹していた。一方、南アフリ カを中心として意見調整を図ってきたアフリカ諸国からは、論点1と4に関する作 業文書が会議前半にいち早く提出された。決議案の土台となることを目論んだ 文書であり、形式もそれに則したものとなっている。内容は、昨年の国連総会で 採択された決議(A/RES/58/179)の内容を広範にカバーしつつ、医薬品アク セスにおける先進国に対する大幅な要請を求める形となっている。昨年の決議 に先進諸国もこぞって賛成票を投じたことも踏まえ、先進国グループがどのような 対応をするのかが注目される。また、ワクチン問題では、インフォームド・コンセン トを前提とした被験者への平等で最高水準の補償を求めており、この点に関し ても先進国からの反発は避けられないだろう。 これに対し、先進国グループの主張をまとめた作業文書がアメリカより提出され た。内容としては、830合意の運用が、医薬品製造能力の判断および迂回防 止措置としての有効な手段であることを確認するとともに、知的財産の保護の重 要性が強調されたものとなっている。先進国の悩みの種である並行輸入などの 迂回問題が830合意で一定の解決をみることができたという認識が、各国政府 の中にあるようだ。また、ジェネリック薬の製造が医薬品としての品質、安全性に 問題を孕む危険性を指摘し、強制実施権発動による安易なジェネリック薬製造 に牽制を与えた形となった。先進国グループにおいても今会合でフランス、ドイツが 加わり、これから決議案作成に向けた動きが活発化するものと思われる。 この日は、30分と15分のコーカスがそれぞれ1回ずつかけられ、最後に非公式 討議を導入して各国の調整具合を確認した。各国の発言趣旨は以下の通り。 ------------------------------------------------------------- Uganda:80年代後半からの国内におけるエイズ撲滅運動は成功を収めた。エイズ 問題は薬の問題にとどまることはない。エイズを抑えることができたのは、教育に重 点を置いたことに起因する。エイズに対する知識の普及が重要。女性の地位向上 も感染率を抑えるのに寄与。社会的インフラの整備、医療衛生問題といった総合 的な側面からアプローチなくしてエイズ問題解決の進展につながらない。 Botswana:エイズ問題は貧困問題と並んで乗り越えるべき重要課題。経済のグロ ーバル化を推し進めてきたWTOの恩恵を受けるためにはTRIPS協定を認めなけれ ばならない。加盟国全てが同じ条件のもとにいるように見えるが、実のところは不平 等。TRIPS協定31条の強制実施権は制度上存在するが、うまく機能していない。 WTOの権限が公衆衛生を上回ってはいけない。 Thailand:国内エイズ問題への取り組みは高い評価を受けている。それはエイズの 蔓延が国家緊急事態であるという認識、国をあげての取り組みの2点に起因。教 育の徹底が重要。教育インフラの欠如の背景は貧困であり、社会的側面からのア プローチが必要不可欠。医薬品製造能力の無い国のアクセスが阻害されないため にも厳密な制度が必要。並行輸入の可能性を排除するためには、チェック制度を 確立すべき。 UK:必須医薬品、ワクチンは、先の九州・沖縄サミットにおいて「国際公共財」とし ての認識を確立した。多国間(マルチ)の場ではTRIPS協定が存在するが、二国間 (バイ)ではODA供与を通じて解決できることは現状維持したい。WTO協定は一括 受諾方式であり、それを納得した上で加盟したのであるから、TRIPS協定に疑問を 投じるのはいかがなものか。ワクチン補償問題では、UNAIDSガイドラインを確認する ことでも重大な進歩だと認識。資金供与国の存在を再度認識すべき。マルチを超 越した形でバイが進行しており、この協力によってエイズ人口の減少に寄与している 点を理解してもらいたい。 Denmark:資金の不足が問題。GFATMを強化するとともに各国の積極的な供与を 期待。教育の充実あるいは貧困問題への対策も重要なアプローチ。中には、明日 生きていけるかの瀬戸際でエイズ感染を承知で売春を続ける少女がたくさんいる。 このことを看過してはいけない。 Switzerland:先の国際エイズ会議ではスイスの研究チームが新薬成果の兆しを発 表。現在は3剤併用療法が基本であるが、今回の新薬を用いれば以前にも増して 効果が期待できることを発見した。新薬開発がどれほどエイズ問題に貢献している か、今一度認識してもらいたい。 Brazil:医薬品製造能力の判断はWHOが主体となるべき。しかし、実際に行うにあ たってWHOの人員不足問題を解決する必要がある。医薬品製造能力を定義する という議論があるが、その点は勧告するにとどめるべき。 Italy:インフラ整備を含めた先進諸国の協力が必要不可欠。GFATMを通じた資金 努力を惜しまない。 US:エイズ問題もテロ同等に国際の安全と平和の脅威であると認識。有効な治療 薬を提供すること、ワクチンを開発することは妨げられてはいけない。このためにも 知 的財産権の保護が必要不可欠であると考える。 -------------------------------------------------------------- 前回の会合で会議の主導的な存在であったカナダ政府代表が、今会合では国内 事情により欠席したため、会議全体としてはややまとまりがない印象が見受けられ た。 会議は各国すべての代表によって進められているわけであり、他の政府代表の積極 的なイニシアティブが必要とされている。グループを先導する政府代表だけでなく、 自 国の問題として真摯に受け止め、より主体的に行動することが会議を成功させる要 素となるだろう。 次回会合は11月13日(土)の午後から西宮北口で開催される。今回に加えてさら に決議案が提出される見込みとなっており、各国政府の手腕が期待される。 【西山嘉威】 この日提出された作業文書: 次回以降のスピーカー: -------------------------------------------------------------- 【編集後記】 2nd meetingお疲れ様でした。もう早くも3rd meetingを迎えようとしてますね。 来週は合宿ですよ。ほんと早いものです。メール交渉がとても活発におこなわれ いてとても頼もしいです。その分ぼくもチェックが大変ですが。。。 執行部の立候補が始まったようですね。来年は誰がこの神戸研を担ってくれる のでしょう。隠居の身となりつつあるぼくもさりげに楽しみです。今年はいろんなこ と がありましたが、温故知新の精神で来年につなげたいですね。 今週も頑張っていきましょー。では土曜日に。。。 配布物・Press Release (html) (word) ・Working Paper4 by United States of America (html) (word) ・Working Paper5 by South Africa (html) (word) ・Memo by Canada (html) (word) 提出物 ・ワーキングペーパーは出来る限り金曜日までにメール等でフロントに提出してください。 ・前期の活動でメールアドレス表に書かれているアドレスの確認をしませんでした。そのため 間違いなどが多発しメール交渉の妨げとなりました。 後期では事前に確認のメールをそれぞれのアドレスに送りますので各会員は必ず返信をしてください。 |
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