活動報告


前期  4月24日  5月1日  5月8日  5月15日  5月22,3日  5月29日  6月5日  6月12日  6月19日  6月26,7日  7月3日
夏休み  8月10,11日  9月4日
後期  9月25日  10月2日  10月9日  10月16日  10月23日  10月30日  11月6日  11月13日  11月20,21日  11月27日

9月25日 第一回勉強会


夏休みの終わりに神戸研究会の後期活動が一足早くはじまり、今回の活動では会員による議題解説がありました。 論点に直結するような話もありましたが皆真剣に聞き入っていたようです。

一つ目の議題解説は、「世界におけるHIV/AIDS」でした。新メンでは初となる議題解説でしたが、 エイズの感染経過、現在の世界におけるHIV/AIDSの状況、そして何故HIV/AIDSは蔓延するのかなどの基本的な知識を 丁寧に解説しました。 HIV/AIDSは世界中で蔓延をしていますが、 流行の仕方はその国の地理的条件、経済状況、文化など様々な要因によって特徴付けられるため その程度や特徴は地域ごとに大きく異なっています。 この次の議題解説、「アフリカにおけるHIV/AIDS」 では特にHIV/AIDS患者が集中しているアフリカについて解説を行いました。

二つ目の議題解説はアフリカにおけるHIV/AIDSについてでした。 世界の患者の3分の2が生活するアフリカです。 今回の議題解説の前半では何故アフリカにこれほど集中しているのかなどアフリカとHIV/AIDSの関係 について詳しく解説をし、さらにウガンダのHIV/AIDS対策などの実例も挙げつつ今後の展望についても触れました。 後半部ではアフリカから離れて医薬品のアクセス問題についての簡単な説明を行いました。 現在アフリカをはじめとする途上国では、高価な医薬品を購入する事が出来ない人が大勢います。 しかしその一方で医薬品の開発には多大な労力や費用がかかるのも事実です。 したがって開発者が開発に費やした費用を回収しようとする事は当たり前のことともいえます。 開発者側と薬の利用者、この両者の思惑の違いや対立は今回の会議の争点の一つであるため 来週の議題解説ではさらに詳しく解説を行う予定です。

・フォローメール

議題解説@「世界におけるHIV/AIDS」

「世界におけるHIV/AIDS」を担当した阿部です。
前回の議題解説では、
 ・HIV/AIDSはどのような病気なのか
 ・世界の流行状況
 ・流行が広がってしまった要因
 ・どのような問題があるのか
について説明しました。その内容を簡単にまとめてみます。

・HIV/AIDSはどのような病気なのか
HIVとAIDSの違いについては、HIVはウイルスの名前であり、 AIDSは、HIVによって免疫力が低下し、弱い病原体による 感染症にかかりやすくなったHIV感染症の末期状態である ということでした。
HIV/AIDSの特徴としては、AIDSになる前に2〜20年ほどの 無症候期間があり、感染に気づきにくいということ。

HIVには今なお完全に感染を防げるワクチンはできておらず、 また、感染後の治療で使用される薬は非常に高価で、 多くのHIV感染者は薬を入手できないという問題もありました。

感染経路としていくつか挙げた中では、 麻薬の打ち回し、性交渉(異性間と、より危険な男性間) が重要です。麻薬注射常習者、男性間性交渉をする人、 性産業従事者、といったハイリスク行為集団の間では 特に感染が広がりやすく、対策が必要です。一般の人々に 広がるときは、主に異性間性交渉が感染経路となります。

・世界の流行状況
ここでは、HIV感染者の大部分が途上国にいること、 地域によって流行状況が大きく異なること、そして 同じ地域内でも、国によって違いがあることを説明しました。
サハラ以南アフリカ、カリブ海沿岸諸国といった流行が 一般化している地域では異性間性交渉による広がり が多い。
東欧・中央アジア、アジア・太平洋地域では、ハイリスク 行為、特に麻薬による感染が拡大しつつある、など。

・流行が広がってしまった要因
以下のことを挙げて説明しました。
 ・長い無症候期のため、対策が後手になりやすく、
  また、自分の感染に気づかずに他人に広めてしまうこと。
 ・HIV感染者への差別・偏見が生まれてしまったこと。
 ・知識が伝わっていないために予防が困難なこと。
 ・性感染症のひとつであるため話題にしづらいこと。

・どのような問題があるのか
これから対策を立てていく上での問題を挙げました。
 ・ワクチンがない。→一人ひとりの予防が大切   →しかし、そのための知識がない。
 ・薬が高価→必要とする大部分の人は入手困難
 ・被害の深刻な途上国には対策のための財源が不足
  →国際基金設立→拠出進まず資金不足解消ならず。

以上です。分からないことが出てきたら、できる範囲で 答えますので気軽に質問してください。

阿部綾子




《《議題解説A「アフリカにおけるHIV/AIDS」》》

みなさんこんにちは。神戸外大2回生の今井和昌です。今回は、僕が25日に行なった 「アフリカにおけるHIV/AIDS」に関する議題解説の内容復習を 行なっていきます。 前回欠席された方は、神戸研のHPからレジュメを手に入れて、以下の内容を導入とし て利用して下さいね。

まず、議題解説の前半部では「アフリカにおけるHIV/AIDSの特徴と原因」について考 察しました。

●世界中のHIV感染者の内、その3分の2以上がアフリカに集中しており、特にサハラ 以南のアフリカでは感染者数が2700万人以上存在するという現状 が存在する。
●その原因として、
 1、教育や情報の不足(予防法が分からない、感染者・患者への偏見や差別助長)
 2、女性の地位の低さ(避妊率の低さ、一夫多妻制による感染リスクの拡大)
 3、男性の出稼ぎ労働(出稼ぎ労働者が都市でセックスワーカーと関係を持ち、HIV に感染して農村へ持ち帰る構図)
 4、HIV以外の性感染症の拡大(性感染症に罹っていると、通常に比べてHIV感染率 が2〜5倍になる)
 5、貧困(上記1〜4の根源的要素として捉えることが出来る)
の5つを挙げることが出来る。
●貧困問題とHIV/AIDSの問題は関連性が極めて高いと言うことができる。

次にその貧困が原因で助かるはずの人々がそうならない現状の端的な例として、エイ ズ薬の問題を取り上げました。この箇所は、後期シミュの論点を理解する 上での基 礎となる部分なので、しっかり復習しておいてください。

●エイズ対策には、すべての感染症がそうであるように
 1、予防
 2、治療
の2つを車の両輪として進めていく必要がある。
●予防の面では、国際機関による援助活動が存在する(国連人口基金、GFATM等) が、慢性的な財政不足。
●治療の面では、現在HIV感染者の発症を遅らせる薬や患者の長寿を可能にする薬が 存在し、効果的な治療が可能となっている。感染者・患者ともに突出し ているアフ リカでは、それらエイズ薬による治療によって労働力の確保が可能となる側面もあ る。
●しかし、エイズ薬開発には膨大な時間と資金を必要とする為、製薬会社(ほとんど が先進国に遍在)は自ら開発した薬を特許によって保護し(知的財産権の 保護)、 それによって他者による模造を禁止し同時に高値で販売する。
●貧困のため高価なエイズ薬を購入できないアフリカ諸国をはじめとする途上国は、 特許のため自国で製薬技術を模造して安いエイズ薬を作ることも出来ない。

つまり、先進国は知的財産権を重視し、途上国は医薬品のアクセス権を重視するとい う、互いが相反する立場に立っているという構図が見受けられ、これが今 回のシ ミュでの主要な対立軸となります。実際の国際社会においては、知的財産権を国際的 に保護する意図の下に策定されたTRIPs協定に始まる先進国と 途上国の交渉が存在し ます。その流れをしっかり自分のモノにすることが決定的に重要なので、みなさんに はBGの5章と6章を熟読した上で、次回10月2 日の勉強会に臨んでいただきたいと思い ます。「TRIPs協定」「強制実施権」というキーワードが出現するので、それらがど のような物なのか認識した上 で勉強会を迎えてもらえれば幸いです。

それでは、10月2日にお会いしましょう。

今井和昌

・質問に対する返答
みなさんこんにちは。25日に「アフリカにおけるHIV/AIDS」の議題解説を担当しまし た神戸外大2回生の今井和昌です。今回は議題解説中に出た女 子割礼に関する質問に 対する答えの共有を行い、女子割礼にまつわる若干の私見をお伝えしたいと思いま す。

Q. 女子割礼は、それが行なわれている国の政府が伝統文化として保護する対象たる のか?

A. 国際会議において政策決定を行なう際に、女子割礼が行なわれている国が、女子 割礼の存在を理由にして何らかの内容に反対したりすることは今までには起 こって はいません。伝統文化で保護すべき対象ではなく、どちらかと言うと「土着の慣習」 であると考えて良いと思われます(実際に女子割礼を禁止している 国も存在す る)。

今回のシミュでは、エイズ薬の問題に特化した形で議論を進めて行くので、女子割礼 の問題が会議で取り扱われる事は無いと思われます。また、実際の国際会 議でも女 子割礼に対する非難であるとか、そういった類いのものは見受けられません。

女子割礼は、土着の慣習であるという観点から見れば一つの文化として尊重すべきも のであろうし、人権という観点から見れば女性への虐待行為とみなす事が できま す。ここで問題となるのが、人権は西欧のスタンダードか、それともすべての人類に とってのスタンダードたるのか、という問いでありましょう。史的 システムとして の自由民主主義体制が広く受容された今日(もちろんアフリカ諸国も例外ではな い)、文化の多様性が許容されるのは、人権概念に抵触しない 程度の伝統文化に限 られるという見方は我々にとってしっくり来るものですが、その際我々が忘れてはな らないのは、人権概念が我々に広く浸透している時点 で、我々も「西欧」なのだと いうことです。このことを常に意識することが、自由民主主義体制の補完物である国 連を模擬する我々にとって、決定的に重要な 事だと思います。

話は変わりますが、25日の勉強会でも申し上げた通り、10月2日の勉強会までにBGの5 章と6章をしっかり読み込んで来てください。その際には25日 の勉強会で導入した 「途上国VS先進国」の対立軸を念頭に、「TRIPs協定」や「強制実施権」といった語 の理解に努めて欲しいと思います。

それでは、10月2日にお会いしましょう。

今井和昌


配布物
・Press Release (html) (word)
・議題解説レジュメ「世界におけるHIV/AIDS」 (html) (word)
・議題解説レジュメ「アフリカにおけるHIV/AIDS」 (html) (word)
・お土産

10月2日 第二回勉強会


 10月2日に第二回勉強会がありました。今日の議題解説の内容はTRIPS協定とジェネリック薬でした。 これらは会議の論点に直結する内容ですが、解説者の二人が非常にわかりやすく解説をしてくれました。

・フォローメール

議題解説B「知的財産権保護と医薬品アクセス」

みなさんこんにちは。神外大一回生の種市苑美です。今日は10月2日に行った「知的財産権と医薬品アクセス」という議題解説の内容を振 り返っていきたいと思います。今回やった内容は今回の会議において非常に重要なの で参加できなかった人はこのフォローメールと神戸研のHPにあるレジュメを見てしっ かりと勉強して下さい。(BG第5章、第6章も)そして参加してくださった人も復習を 兼ねてこのメールを見ていただければと思います。

まず前回の議題解説では前半部分においては第1回勉強会で今井先輩が触れてく れた医薬品アクセスにおける先進国と途上国の対立を踏まえた上でTRIPs協定、 ドーハ宣言、更には8月30日の合意について触れていきました。ここではそれら の流れを理解していただければと思います。


☆TRIPs協定

まず、最初は先進国と途上国の対立を踏まえた上で新しく先進国が重視している 知的財産権保護の最低基準について定めたTRIPs協定について取り上げました。 TRIPs協定とは全WTO加盟国守らなければならない知的財産権保護に関する国 際協定です。そして各国はBG第5章に書いてあった期限にまでに国内法をこの TRIPs協定のレベルにまで整備しなければなりません。(最低基準ですからこれよ りも高いレベルで保護をしたいならば国内法をそれ以上のレベルに合わせて整備 しても構いません。)

☆TRIPs協定における問題点

次はTRIPs協定の問題点を4つ程あげてみました。ここで理解して欲しかった 事はTRIPs協定がどれだけ先進国よりの協定であるかという事です。その中で 一番重要でありみなさんにぜひ理解して考えて頂きたかった問題点がcの強制 実施権についての問題点でした。

○まず強制実施権とはTRIPs協定31条で規定されている権利で、一定の条件の 下では特許権者の承諾を得ずに政府の決定で第三者が特許を使用できる権利で す。そしてその一定の条件というものが『国家緊急事態』です。一見するとそ れは途上国に配慮した良い条項にも見えるのですが、この一定条件には問題があ ります。それは『国家緊急事態』と言う事態ついて細かく決められていない、つ まり一定条件が曖昧であるという点です。この問題の為に強制実施権を行使した かった途上国も先進国側への遠慮や先進国側の圧力からその行使を思いとどまっ てしまっていました。ですからこのTRIPs協定の強制実施権では事実上ジェネリ ック薬を作ることができませんでした。(但し法的解釈だけの観点から言うとジェ ネリック薬は作れます。)しかし今はTRIPs協定で定められた経過期間(いわゆ る猶予期間)である為に多くの途上国はまだ国内法をTRIPs協定の基準までに整 備していません。ですから現在はこのTRIPs協定における強制実施権を使わなく てもインドやタイそしてブラジルといった国はジェネリック薬を生産できていま す。(この説明に関しては次の大川君の説明、或いはBG第6章を見てください。)

☆ドーハ宣言(TRIPs協定と公衆の健康に関する宣言)

こうして見ても分かるようにTRIPs協定というのは知的財産権保護を重視しすぎ ている点がありました。ですからドーハ宣言により「公衆衛生の保護は個人の商 業利益よりも優先」という内容が宣言されたわけです。そしてここで画期的な事 が以下の2つです。

・HIV/AIDSの感染拡大は国家緊急事態である。
・どんな事が国家緊急事態であるかを各国政府の独自の判断で決定して良い。

この宣言によりTRIPs協定の強制実施権によりジェネリック薬の生産が可能とな ったわけです。(前からジェネリック薬の生産は可能ではあったわけですが先程、 TRIPs協定の問題点で挙げたようにTRIPs協定の強制実施権の行使要件が曖昧で あった為にジェネリック薬の生産はTRIPs協定の強制実施権を用いては事実上でき ていなかったわけですね。しかし今回各国政府が独自に判断して良いという事にな りましたからTRIPs協定の強制実施を用いてジェネリック薬の生産が出来るように なったのです。)

☆医薬品アクセスにおける最大の問題点

この様な画期的な宣言がされたにも関わらずまだ問題が残っていました。それが 医薬品アクセスにおける最大の問題である医薬品製造能力が不十分或いは無い国 における医薬品アクセスです。(医薬品製造能力とは医薬品を新たに開発する能力 ではなくジェネリック薬を生産する技術力の事です)。何が問題かと言うと解説で も使った図で表すのが一番わかりやすいかと思うので図を使って説明します。

特許料支払い能力 医薬品製造能力     対策

     ○                     特許薬を買う(輸入)
     ×           ○         ジェネリック薬を生産
     ×           ×         ジェネリック薬を輸入


まず一番上は問題ありませんね。特許料を支払える訳ですから医薬品を手に 入れる為には特許薬を買えば(輸入)いいわけです。しかし特許料を支払え ない国もあります。2番目の特許料は支払えないけれどジェネリック薬を作 れる技術力があるという国は生産能力はあるわけですから強制実施権を行使 してジェネリック薬を生産すれば良いわけですね。じゃあ特許料支払い能力 かつジェネリック薬を生産する技術力が無い国というのは自分たちで生産で きないわけですから安いジェネリック薬を生産している国からジェネリック 薬を輸入するしか医薬品を手に入れる方法はありません。つまりジェネリッ ク薬を輸出してもらわなければならないのです。しかしここで問題となるの がTRIPs協定31条(f)「ジェネリック薬の輸出向け生産は原則禁止」と言 う規定です。つまり3番目の国は輸出してもらうしか医薬品を手に入れる術 はないのにジェネリック薬の輸出入は禁止とされていたのです。そうします とHIV/AIDSの状態が深刻な地域の状態ほどこの特許料支払い能力かつ医薬 品製造能力が無い状態にあてはまりますからHIV/AIDSにおいてこの問題を 解決しない限りなにも良い方向に進まないということになります。ですから ドーハ宣言第6パラグラフにおいてこの問題に対する対策を2002年末の一般 理事会にまで報告するようにといった内容が宣言されました。

☆合意

そうして協議が始まりBGにも書いたようになかなか合意には至りませんでし たが2003年8月30日ようやく合意を得る事ができました。

・一定条件下ではジェネリック薬の輸出入が可能に・・・ (一定条件については各自BG第5章を見といてください。)

そして次にこの一定条件における問題点を取り上げました。それは並行輸入です。 ここは議題解説後難しかったという意見が多く聞かれたので又もう一度丁寧に説 明したいと思います。

●並行輸入・・・自国に特許がある医薬品を安く販売している他国から輸入する事


(@)
       まずある製薬企業が途上国に普通は一万ドルする薬を安く350ドルで提供したと します。そして第三国には普通に一万ドルの特許薬があります。ここまでは何も 問題はないですよね。しかし第3国は途上国にある350ドルの薬は自分のとこに ある1万ドルの薬のものと同じ品質のものですから非常にその安い薬に魅力を感 じてしまいますよね。ですから第3国はその安い薬を輸入してしまうわけです。 これが並行輸入です。そうすると第三国には同じ性能で高い薬と安い薬の二つが 存在するわけです。そしたらみなさんはどちらを普通買いますか?もちろん安い 方を買いますよね。そしたらもしこの第三国が一万ドルの薬を買える経済力があ った国だったとしたらこの薬の特許権を持っている製薬企業は普通一万ドルで売 れる薬が350ドルで売れてしまう訳ですから大打撃をうけるわけですね。

(A) 
ある先進国がジェネリック薬を生産して途上国にあげようということになったと します。一定条件では必要な分だけ作ると言っていますので途上国に輸出したら 先進国には350ドルの薬はなくなりますね。そしたら先程と同様に先進国にとっ てはあげたはもののその安い薬は非常に魅力的なわけですから途上国から再輸入 してしまうのです。これも並行輸入です。そして先程と同じ理由で特許権を持っ ている企業は非常に大打撃をうけるわけです。

この(@)、(A)の様に普通の値段で買える経済力を持っている国がこの様な商 業目的から輸入をする事を産業界の力が強いアメリカは非常に嫌がっているわけ です。ですからこの一定条件とはこういった輸入を防ぐ為のものだと考えてくだ さって結構です。

で、ここから出てくる問題点をみなさんには考えて頂きたいです。

●輸入国の医薬品製造能力の有無の確認をどの機関がどのように行うのか
●こういった商業目的の輸出入を防ぐにはどういった対策が必要か。

更にもう一つ問題点をあげました。それは今後の医薬品アクセスに関する問題点 である猶予期限後の輸出入です。2005年1月までに開発途上国は国内法をTRI Psのレベルにまで整備しなければなりません。そうすると今までジェネリック薬 を生産していた国も今までのように生産ができなくなる可能性があるわけです。 そしてその様な事態が発生してしまうと先程言った輸入に頼っていた国というの は更に医薬品が手に入らなくなる可能性があるわけですね。ですからみなさんに は猶予期限後の輸出入について考えて頂きたいと思います。

以上前半部分では8月30日の合意に至るまでの流れを取り上げました。

☆アメリカの動き

後半部分ではBGに取り上げていないアメリカの医薬品アクセスにおける動向を 取り上げました。

●アメリカの提案によって始まったTRIPs協定体制は先程述べて言った交渉等 で何回も途上国に譲歩を重ねていった結果、自分たちにとって気に食わないも のへと変化していってしまいました。ですからアメリカはTRIPs協定よりも更 に高い基準である保護規定を設けようと、より交渉しやすいFTAといった二国 間交渉であったり更には少数間の地域間交渉に乗り出してきているという簡単な 内容に触れさせてもらいました(具体的な規定についてはレジュメを見てくださ い。)

以上長くはなりましたが私が担当した議題解説について簡単にまとめさせてもらいま した。しつこいようですが本当にここでの知識は今回の会議において非常に重要な知 識ばかりです。ぜひしっかりと理解して9日のディクテーション更には会議に臨んで みてください。また議題解説を聞いてもこのフォローメールを見ても分からない事が あったりした人は私のパソコンにまで気軽にメールを下さい。

種市 苑美

議題解説C「ジェネリック薬、及びエイズ問題解決に向けて」

 こんにちは、前回の議題解説で「ジェネリック薬、及びエイズ問題の解決に向け て」を担当した大川孝司です。今回は10月2日に行った議題解決の内容の復習を行い ます。特に前回の勉強会を欠席した人は、内容を理解しておいてください。  まずは「ジェネリック薬とは何か?」です。一般的にジェネリック薬とは特許保護 期間の終わった薬をコピーして作った薬のことです。しかし、今問題となっているの は特許保護期間中にもかかわらずコピーして作った薬のことです。ではなぜこのよう な薬が作れるのでしょうか。理由として、特許は各国一律には適用されず、各国ごと の法整備、申請が必要であり、また遡って適用されることもない、ということが挙げ られます。さらに強制実施権を用いることで、ジェネリック薬を製造することもあり ます。このように作られるジェネリック薬の特徴は安いこととオリジナルの薬(最初 に開発された薬)と効果が同じことです。

 次に「ジェネリック薬の生産、輸出入」を見ていきたいと思います。生産、輸出入 はそれぞれ論点となっていますので、しっかり理解してください。ではまず知的所有 権保護の最低基準を定めたTRIPs協定を確認したいと思います。TRIPs協定ではそれま でより高いレベルの特許法整備を求めています。そこで各国には整備のための猶予期 間を求めており、ジェネリック薬生産国であるインド、ブラジルなどを含む開発途上 国の期限は2005年1月となっています。ではその期限を超えた場合どうなるのでしょ うか?ここではジェネリック薬製造能力のある国とない国に分けて見ていきたいと思 います。製造能力のある国では特許法整備が必要になるので、それまで自由に作って いたジェネリック薬が簡単には作れなくなります。製造能力のない国ではさらに深刻 です。たとえ自国が発展し、ジェネリック薬を製造できるようになったとしても、猶 予期限の切れる2005年以降は実質作れなくなってしまいます。そこで製造能力のない 国では輸入に頼ることになります。ジェネリック薬の輸入に関しては2003年8月の合 意によって可能になってはいますが、先進国の圧力などにより簡単にはできない状態 です。

 このような現状の中、生産、輸出入に関しては3つのグループが存在している、と いえます。以下の3つです。
・生産、輸出入を限定させたい先進国(アメリカ、スイス、日本など)
・生産、輸出入の道を残したい途上国(アフリカ諸国など)
・中立国(インド、ブラジル、タイなど)
ただ先進国の中にも人権擁護派の国(デンマークなど)や輸出入を認めようという動 きの見られる国(カナダなど)もあります。

 次に「ジェネリック薬の監視」についてみていきます。これも論点となっていま す。今回考えてほしいのは製造能力の有無の判断と、偽物の薬や商業目的輸出の監視 です。製造能力とはもちろんジェネリック薬を作る能力のことですがこれに関しては 明確な定義が存在しません。そこでその判断基準と判断主体を考えていただきたいで す。判断基準の例としては、資金、技術、企業などが挙げられます。判断主体の例と しては、既存の機関、新たな機関、各国ごとなどが挙げられます。また、偽物の薬、 商業目的の輸出の監視ですが、残念ながら現在偽物の薬というのが存在し、さらに人 道的目的ではなく単に商業目的、利益を求めて薬の輸出を行うこともあります。そこ でこれらをどのように防ぐかを考えてもらいたいです。

 最後に「エイズ問題解決に向けて」にいきたいと思います。まずこれまでの流れを 見ていくと、TRIPs協定(ジェネリック薬生産が困難)→ドーハ宣言(強制実施権に より生産が可能に!)→2003年8月の合意(一定条件の下で輸出入が可能に!)→今回 の会議、となっています。となると生産、輸出入というのはすでに認められているの になぜ今回の会議で話し合わなければならないのか、と思う人もいると思います。し かし、問題なのは生産、輸出入があまりうまく機能していない、ということです。こ れをふまえたうえで会議においては何らかの具体策を提示してもらいたいです。  また、エイズに関してはNGOも様々な提案を行っています。代表的なNGOとしては国 境なき医師団が挙げられます。彼らの提案としては、公正な価格(国ごとに異なる経 済力国に合わせ、変更された価格)の導入、資金調達システムの構築、政府、公的機 関と医薬品会社との協力関係を築くことなどがあります。   

 以上が議題解説の内容です。今回の内容は非常に難しく、わかりにくいものになっ ています。一度で理解できない人は、BGやレジュメを何度も見直したりして理解でき るよう心がけてください。それでもよくわからない、という人はどんなことでもいい ので質問をしてください。それではまた土曜日に会いましょう。

大川孝司


・質問に対する返答

こんにちは。今回は前回質問のあったところについて補足していきたいと思います。

 まずインドが2005年以降ドーハ宣言にそってジェネリック薬の生産が可能なのでは ないか、ということについてですが、

 ドーハ宣言では公衆衛生の保護のために強制実施権を発動できるようにTRIPs協定 を柔軟に適用することが認められてます。つまり、強制実施権を発動することによ り、ジェネリック薬の生産が可能になったわけです。その点では、確かにインドでも 強制実施権を発動することで生産は可能です。

 ただそそれまでのように自由に生産する、というのは厳しいです。強制実施権はあ くまで国家緊急事態に発動できるものですし、それまで輸出用にも作っていたインド が今後も同様に作れることはないでしょう。また、インドもエイズ患者が多くいます ので国家緊急事態と言えそうですが、先進国からはやはり圧力がかかりますし、国家 緊急事態の宣言というのは一国家として、できればやりたくはないことです。

 これらを考えても生産可能かどうかというのは不透明な点が多いと言えます。別の 観点から見ると、ドーハ宣言は単に宣言であるのに対し、TRIPs協定というのはWTO加 盟国に義務付けているものであるということから、TRIPs協定の方が比重が重いとも 言えます。

 次にドーハ宣言と、米国と他国の地域間協定はどちらが優先されるか、についてで すが、  

 これは地域間協定が優先されます。上で述べたように、ドーハ宣言には法的拘束力 がありません。(もちろん2003年8月の合意も同様です。)米国は多国間交渉の場で はあまり強く言わずに二国間協定で知的所有権の最低限を定めたTRIPs協定より高い 基準を求めてきています。(もちろん裏では様々な見返りを出してはいますが…)

 次にWHOの品質保証についてですが、  

 品質が認められているのは、インドのシプラ社、ヘテロ社、ランバクシー社、スペ インのコンビノ・ファーム社です。このうちスペインのコンビノ・ファーム社につい てなぜジェネリック薬が作れるのか、ということについてですが、この会社は期限の 切れた薬を開発している、ということです。つまり、特許保護期間中のものではなく 特許保護の切れた薬のコピーを行っている、ということです。もちろんエイズ薬を 作っている会社で世界でも数少ないジドブジンと呼ばれるエイズ薬を供給している会 社です。コンビノ・ファーム社についてはhttp://www.combino-pharm.es/に詳しく 載っていますのでこちらも参考してください。  

以上です。またなにかありましたら連絡してください。

大川孝司

配布物
・Press Release (html) (word)
・議題解説レジュメ「知的財産権保護と医薬品アクセス」 (html) (word)
・議題解説レジュメ「ジェネリック薬、及びエイズ問題解決に向けて」 (html) (word)
・執行部役職紹介(会長) (html) (word)
・執行部役職紹介(総務) (html) (word)
・ディベート準備用課題 (html) (word)
・お土産

10月9日 第三回勉強会


10月9日に第3回の勉強会がありました。今回は議題解説ではなくディベートを行いました。 いつもの議題解説はなかったのですが、会員にはおおむね好評だったようです。ディベートは以下のような形としました。


・6人程度のグループで行う
・それぞれのグループで便宜的に途上国側、先進国側に分かれてもらい、 それぞれの観点から現在の医薬品アクセスについて論じる。
・ディベートの後には話の内容をグループごとにまとめ、発表。

シミュレーション期に入る前に自分がどの程度のことしか知らないのかがよくわかった、 これから何をリサーチすれば良いのかがなんとなくわかった、 国にとらわれずにはなせたので話しやすく、また全体の対立などの構図がよくわかった、 などの評価の言葉が多かったですが一方では話す人が偏った、 まだ知識がしっかり見についていないのであまり口を出せなかった、あるいは内容の薄いことしか話せなかったという声も聞かれました。

それぞれのグループで話し合った結果、シミュレーションの内容がうっすらとではあるが見えてきた人が多かったようです。 今度の勉強間は2週間後ですがその次の週はもうシミュレーションに入ります。 今日学んだことをしっかりと生かしてシミュレーションに向けたリサーチを行いましょう。

配布物
・Press Release (html) (word)
・ディベート準備用課題解答 (html) (word)
・16日のお知らせ (html) (word)
・後期活動国割り表(暫定版) (html) (word)
・前期会計報告 (html) (word)
・執行部役職紹介(研究) (html) (word)
・執行部役職紹介(情報処理) (html) (word)

10月23日 第四回勉強会


10月の23日に最後の勉強会を行いました。 今回の活動内容はワクチンに関しての解説と今までに出てきた各論点の解説でした。

ワクチンに関する議題解説ではまずワクチンとはそもそもどういうものなのかを簡単に説明し、 そのにエイズのワクチンについての解説をしていきました。 エイズワクチンはそのウィルスの特性や危険性などの様々な理由から開発が困難とされています。 また実用化には不可欠の臨床試験の際にもやはり多くの問題があります。今回はその問題の 一つである臨床実験時の補償問題について取り上げました。

論点の解説では今までに出てきた論点と多少の変更点について話をしました。 今までの論点に関する部分では医薬品アクセス問題の経緯と共に、現在の状況や 会議ではどのようなことに注意するべきなのかを図を用いてわかりやすく示しました。 しっかりと内容をつめた講義はとても内容が濃く、聞き応えがあるものだったと思います。

来週からはシミュレーションが始まります。前期以降の各大会や合宿、そして個人で学んだことなどを総動員して しっかりと頑張ってください。ワーキングペーパーを提出したい人はフロントにメールで事前に提出するか、当日持参してきてください。

配布物
・Press Release (html) (word)
・議題解説レジュメ「臨床試験中、被験者がエイズに感染したときの保障の問題」 (html) (word)
・議題解説レジュメ「論点整理」 (html) (word)
・後期活動メールアドレス表(非公開)
・執行部選出会議スケジュール (html) (word)

提出物
・ワーキングペーパーは出来る限り金曜日までにメール等でフロントに提出してください。
・前期の活動でメールアドレス表に書かれているアドレスの確認をしませんでした。そのため 間違いなどが多発しメール交渉の妨げとなりました。 後期では事前に確認のメールをそれぞれのアドレスに送りますので各会員は必ず返信をしてください。

10月30日 後期シミュレーション第一会合


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Press Release No.01
Issued by the Secretariat of Model United Nations 10/30
―第28回HIV/AIDS特別総会開催される―
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【神戸10/30】 去る10月30日、神戸にて約30の参加国を集めて 第28回HIV/AIDS特別総会が開催された。同会議は、昨年8月30 日の医薬品アクセス問題におけるTRIPS理事会での合意を受け、 今後の国際的な医薬品アクセス体制の確立を主要な議題としてい る。

 2001年11月ドーハで開かれた第4回WTO閣僚会議で採択された 「TRIPS協定と公衆の健康に関する宣言(ドーハ宣言)」では、知的 所有権保護や個人の商業利益のために公衆衛生保護を妨害して はならないとした上で、現行のTRIPS協定下では、医薬品製造能力 が不十分または欠如しているWTO加盟国による強制実施権の行使 が困難であるということを認めた(パラ6)。この問題にようやく決着をつ けたのが昨年の830合意であり、一定条件下(ウェーバー条項)にお いては、医薬品に特許があったとしても医薬品製造能力が不十分ま たは欠如している国に対し、ジェネリック薬を生産して輸出できる制度 が決められた。この合意から1年余りが過ぎたが、この制度はまだうまく 活用されていないのが現状である。2005年のTRIPS協定履行の猶 予期限を目前に控え、830合意をどのように運用していくべきか、各 国の方針がこの日は述べられた。

 

開会は議長の井床利世氏より宣言され、公式討議に入った。この 日はSpeaker's Listは11カ国消化され、途中に大小合わせて3回の コーカスが導入された。

各国の発言趣旨は以下の通り。

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Japan:エイズ問題は国際社会の発展を妨げるものであり、単なる南 北問題と捉えてはいけない。医薬品の進歩に対する各国の協力を求 めたい。医薬品の輸出入に関して新たな制度が必要。

South Africa:基金を通じた資金提供が必要。特許の重要性を確 認した上で医薬品アクセスを向上させるべき。Working Paperの提出 (WP.1)

China:国内のエイズ患者は世界で第4位に。独自でARVを含む臨 床試験を実施。包括的な治療システム、サーベイランスシステムの 確立に向けて努力。

India:エイズ薬の重要性を認識。3 by 5イニシアティブにおいて45% 薬を提供できていない現状は深刻。GFATMの重要性を指摘。女 性の地位向上、IT活用など幅広く議論したい。  TRIPS協定の改 正を踏まえたドーハ宣言の実効化を目指したい。Working Paperの 提出(WP.2)

Sweden:エイズ感染者の半数が女性であり、移民からの感染が増 加。エイズ政策を他の北欧諸国とともに優先政策として位置づけ。 北欧4カ国で5400万US$を国連に投資、資金の必要性を示してき た。 

Canada:提供された医薬品のモニタリング制度の確立を。830合意 の確立からがスタート、基準に対する大まかな原則、方向性を今会 議で示したい。地域に関らず協力体制を。Working Paperの提出 (WP.3)

Rumania:エイズ政策のひとつとしての教育インフラの整備を優先的 に進めていくべき。

Colombia:強制実施発動の際、輸入国のために純粋に薬を提供し てくれる国、企業が存在するのか、その保証はあるのかという点を830 合意の問題点として認識。

UK:今会議の意図を今一度確認すべき。エイズ問題の脅威が、昨 今のテロに匹敵するほどのもの。エイズという一つの感染症に対する 国際的共闘は賞賛に値する。830合意を踏まえ、ODAによる医薬 品補助、ブランドの低価格化の努力といった、現状を肯定的にとら える努力を要請。

Switzerland:子どものエイズ患者が2003年現在250万人であり、 何らかの行動が求められる。830合意の中で一定の迂回防止措置 は備わっていると認識。その中で新たな迂回防止措置の必要性に 疑問を感じる。 

Cambodia:WTO加盟を喜ばしく思う。アセアン内で各論点ついて話 し合いたい。

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なお、この日はWorking Paperが3枚、南アフリカ政府(WP.1)、イン ド政府(WP.2)、カナダ政府(WP.3)よりそれぞれ提出されている。この 日のコーカスは主にアメリカ、日本、スイスといった国内に多国籍製薬 企業を抱える国を中心としたグループと、南アフリカ、インド、カナダを中 心としたさらなる医薬品アクセスを求める国のグループが形成され、今 後この2つの大きなグループを軸に議論が交わされると予想される。こ の日のミーティング延期後、さっそく各国間でのメールでの交渉が活発 になっており、包括的な宣言案作成に向けての動きが加速していくこと になるだろう。

 次回の会合は11月6日(土)、西宮にて再開されることになる。次の ミーティングが終われば最終会合合宿まで1回のミーティングを残すの みとなり、いかに早く、かつ確実に合意を取って包括的宣言案を出す ことが出来るかが鍵となりそうだ。 【神戸=西山嘉威】

次回以降のSpeaker's List Uganda, Botswana

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【編集後記】  こんばんは、ディレクの西山です。プレスリリース1号はいかがでしたか? 後期シミュレーションの議事録は、プレスリリースという形でみなさんにお 届けしたいと思っています。さて、いよいよ11月が始まってしまいましたが 今年も残すところ2ヶ月を切りました。後期活動も驚くほどあっという間に 終わってしまいます。いろいろと忙しいと思いますが、限られた時間の中 でシミュレーションを楽しみましょー。ぼくも頑張ります。あと、残りのスピ ーカーズリストが2カ国しか登録されていません。このままだと会議が終わ っちゃうので、今週のシミュではみなさん是非スピーチをしてください!今 回は全員が一度はスピーチできればなと思っています。 では、メール交渉頑張ってください。2ndシミュでまたお会いしましょー。

配布物
・Press Release (html) (word)
・Working Paper1 by Sauth Africa (html) (word)
・Working Paper2 by India (html) (word)
・Working Pape3 by Canada (html) (word)

提出物
・ワーキングペーパーは出来る限り金曜日までにメール等でフロントに提出してください。
・前期の活動でメールアドレス表に書かれているアドレスの確認をしませんでした。そのため 間違いなどが多発しメール交渉の妨げとなりました。 後期では事前に確認のメールをそれぞれのアドレスに送りますので各会員は必ず返信をしてください。

11月6日 後期シミュレーション第二会合


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Press Release No.01
Issued by the Secretariat of Model United Nations 11/06
――決議案採択に向けた調整が始まる――
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【11/06=神戸】第28回HIV/AIDS国連特別総会第2会合は29ヶ国の代表 を集めて、11月6日午後、神戸にて行なわれた。この日は2時間に渡って開 催され、各国代表は決議案の作成に向けて調整を行なったが、会議の方向 性はいまだ定まっていないようだ。

  前回の会合では、アメリカ、イギリス、日本、スイスを中心とした先進国グル ープとカナダ、南アフリカ、インドを中心とした医薬品グループの2つの大きなグル ープ形成が見られたが、今会合でもこれらのグループを軸に会議が動いていっ た。医薬品グループに関しては、会合一週間前の非公式交渉などを通じて地 域内での活発な意見調整があったとみられ、インドやASEAN諸国を中心とする アジアグループは決議案作成に向けた調整に終始徹していた。一方、南アフリ カを中心として意見調整を図ってきたアフリカ諸国からは、論点1と4に関する作 業文書が会議前半にいち早く提出された。決議案の土台となることを目論んだ 文書であり、形式もそれに則したものとなっている。内容は、昨年の国連総会で 採択された決議(A/RES/58/179)の内容を広範にカバーしつつ、医薬品アク セスにおける先進国に対する大幅な要請を求める形となっている。昨年の決議 に先進諸国もこぞって賛成票を投じたことも踏まえ、先進国グループがどのような 対応をするのかが注目される。また、ワクチン問題では、インフォームド・コンセン トを前提とした被験者への平等で最高水準の補償を求めており、この点に関し ても先進国からの反発は避けられないだろう。

 

これに対し、先進国グループの主張をまとめた作業文書がアメリカより提出され た。内容としては、830合意の運用が、医薬品製造能力の判断および迂回防 止措置としての有効な手段であることを確認するとともに、知的財産の保護の重 要性が強調されたものとなっている。先進国の悩みの種である並行輸入などの 迂回問題が830合意で一定の解決をみることができたという認識が、各国政府 の中にあるようだ。また、ジェネリック薬の製造が医薬品としての品質、安全性に 問題を孕む危険性を指摘し、強制実施権発動による安易なジェネリック薬製造 に牽制を与えた形となった。先進国グループにおいても今会合でフランス、ドイツが 加わり、これから決議案作成に向けた動きが活発化するものと思われる。

 

 この日は、30分と15分のコーカスがそれぞれ1回ずつかけられ、最後に非公式 討議を導入して各国の調整具合を確認した。各国の発言趣旨は以下の通り。

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Uganda:80年代後半からの国内におけるエイズ撲滅運動は成功を収めた。エイズ 問題は薬の問題にとどまることはない。エイズを抑えることができたのは、教育に重 点を置いたことに起因する。エイズに対する知識の普及が重要。女性の地位向上 も感染率を抑えるのに寄与。社会的インフラの整備、医療衛生問題といった総合 的な側面からアプローチなくしてエイズ問題解決の進展につながらない。

Botswana:エイズ問題は貧困問題と並んで乗り越えるべき重要課題。経済のグロ ーバル化を推し進めてきたWTOの恩恵を受けるためにはTRIPS協定を認めなけれ ばならない。加盟国全てが同じ条件のもとにいるように見えるが、実のところは不平

等。TRIPS協定31条の強制実施権は制度上存在するが、うまく機能していない。 WTOの権限が公衆衛生を上回ってはいけない。 

Thailand:国内エイズ問題への取り組みは高い評価を受けている。それはエイズの 蔓延が国家緊急事態であるという認識、国をあげての取り組みの2点に起因。教 育の徹底が重要。教育インフラの欠如の背景は貧困であり、社会的側面からのア プローチが必要不可欠。医薬品製造能力の無い国のアクセスが阻害されないため にも厳密な制度が必要。並行輸入の可能性を排除するためには、チェック制度を 確立すべき。

UK:必須医薬品、ワクチンは、先の九州・沖縄サミットにおいて「国際公共財」とし ての認識を確立した。多国間(マルチ)の場ではTRIPS協定が存在するが、二国間 (バイ)ではODA供与を通じて解決できることは現状維持したい。WTO協定は一括 受諾方式であり、それを納得した上で加盟したのであるから、TRIPS協定に疑問を 投じるのはいかがなものか。ワクチン補償問題では、UNAIDSガイドラインを確認する ことでも重大な進歩だと認識。資金供与国の存在を再度認識すべき。マルチを超 越した形でバイが進行しており、この協力によってエイズ人口の減少に寄与している 点を理解してもらいたい。

Denmark:資金の不足が問題。GFATMを強化するとともに各国の積極的な供与を 期待。教育の充実あるいは貧困問題への対策も重要なアプローチ。中には、明日 生きていけるかの瀬戸際でエイズ感染を承知で売春を続ける少女がたくさんいる。 このことを看過してはいけない。

Switzerland:先の国際エイズ会議ではスイスの研究チームが新薬成果の兆しを発 表。現在は3剤併用療法が基本であるが、今回の新薬を用いれば以前にも増して 効果が期待できることを発見した。新薬開発がどれほどエイズ問題に貢献している か、今一度認識してもらいたい。

Brazil:医薬品製造能力の判断はWHOが主体となるべき。しかし、実際に行うにあ たってWHOの人員不足問題を解決する必要がある。医薬品製造能力を定義する という議論があるが、その点は勧告するにとどめるべき。

Italy:インフラ整備を含めた先進諸国の協力が必要不可欠。GFATMを通じた資金 努力を惜しまない。

US:エイズ問題もテロ同等に国際の安全と平和の脅威であると認識。有効な治療 薬を提供すること、ワクチンを開発することは妨げられてはいけない。このためにも 知 的財産権の保護が必要不可欠であると考える。

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前回の会合で会議の主導的な存在であったカナダ政府代表が、今会合では国内 事情により欠席したため、会議全体としてはややまとまりがない印象が見受けられ た。 会議は各国すべての代表によって進められているわけであり、他の政府代表の積極 的なイニシアティブが必要とされている。グループを先導する政府代表だけでなく、 自 国の問題として真摯に受け止め、より主体的に行動することが会議を成功させる要 素となるだろう。

 次回会合は11月13日(土)の午後から西宮北口で開催される。今回に加えてさら に決議案が提出される見込みとなっており、各国政府の手腕が期待される。 【西山嘉威】

この日提出された作業文書:
WP.4⇒アフリカグループ
WP.5⇒アメリカ合衆国、イギリス、日本、スイス

次回以降のスピーカー:
Malaysia
Sweden
Indonesia
South Africa

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【編集後記】

 2nd meetingお疲れ様でした。もう早くも3rd meetingを迎えようとしてますね。 来週は合宿ですよ。ほんと早いものです。メール交渉がとても活発におこなわれ いてとても頼もしいです。その分ぼくもチェックが大変ですが。。。  執行部の立候補が始まったようですね。来年は誰がこの神戸研を担ってくれる のでしょう。隠居の身となりつつあるぼくもさりげに楽しみです。今年はいろんなこ と がありましたが、温故知新の精神で来年につなげたいですね。  今週も頑張っていきましょー。では土曜日に。。。

配布物
・Press Release (html) (word)
・Working Paper4 by United States of America (html) (word)
・Working Paper5 by South Africa (html) (word)
・Memo by Canada (html) (word)

提出物
・ワーキングペーパーは出来る限り金曜日までにメール等でフロントに提出してください。
・前期の活動でメールアドレス表に書かれているアドレスの確認をしませんでした。そのため 間違いなどが多発しメール交渉の妨げとなりました。 後期では事前に確認のメールをそれぞれのアドレスに送りますので各会員は必ず返信をしてください。
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