リサーチの手引き(リサーチ内容篇)

 

こんにちは、新入生の皆さん。もうすぐみなさんの初めての会議が始まりますね。そんな皆さんに、会議には付き物の「リサーチ」について少し述べたいと思います。きっと後々役立つと思いますのでしっかり読んでください。

 

1.       そもそも「リサーチ」とは何なのか

「リサーチ」とは、会議前に行う調査全般をさす言葉です。議題そのものについての「リサーチ」と、自分の担当国についての「リサーチ」の二つが中心となっています。

 

2.       課題についてのリサーチ

これは会議を行う上で参加者全員が知っておくべきであるような情報を得るためのものです。下に記したことが主な内容です。出来る限り徹底するようにしてください。

     BGを読み込む。

     参考文献など、本を読んでみる。

     議題に関連する国連決議を読む。

     議題の関連条約の条文を読む。

     勉強会の内容をしっかりと理解する。

     課題を毎週こなす。(提出まですること。)

 

3.       担当国についてのリサーチ

このリサーチの目的は、担当国の大使として会議の中でどう動いてゆくかを決定するための情報を集めることです。会議ではみな担当国が違いますので、当然このリサーチは各自がそれぞれ独自に行うことになります。つまりBGのように用意されたものではなく、自分で書籍なりウェブサイトなりを探して情報を見つけなければならないということです。

 

では、担当国について何を調べればよいのでしょうか。国家の政策というものは様々な要素から成り立っているものであるため、多くのことを調べる必要があります。以下には代表的なものをいくつかあげておきますので、是非自分で調べてみてください。

 

         担当国の基本情報(地理状況、宗教、民族構成などなど・・)

国家はよく民族や宗教という共通項で他国と連帯しているものですが、その逆もまた然りです。こうした一つの国家を形作る要素を知らずしてその国を語ることは出来ないのです。ただ、一口に「基本」といってもいくらでも項目はありますので、すべてを覚える必要はありません。

 

         担当国の歴史・現在の状況

近隣諸国との関係やどんなことが国内外で問題となっているのか等々、担当国が今現在どういった状況に置かれているのかを知ることは必要不可欠です。そして、何故そういった状況になったのかを知るためには歴史を学ばなくてはなりません。

 

         担当国の経済状況

経済はその他のどんな議題とも切り離せないものです。先進国、発展途上国というような分類は一見経済には関係ないような会議においても強い意味を持ちます。

 

         担当国が批准や署名などをしている条約(議題に関係する条約のみ)

一国の大使として活動する以上、過去に自国が締結した条約に違反するようなことはできません。何故この条約をこの国は批准したのか、何故この条約は批准していないのか、そうしたことを考えることは担当国の政策を理解する一助ともなるはずです。

 

         担当国が加盟している機関やグループ(議題に関係する機関のみ)

国際会議では、似通った立場の国同士がグループを作り共通の権益を守ろうとしたり不利益を回避しようとしたりします。担当国が一つの国家としてどのような外交政策を取っているかと共にどのようなグループの一員として国際政治の場に参加しているのか調べてみましょう。

 

         外交姿勢

その国の外交政策の傾向です。外務省ホームページには一言ずつ各国の外交姿勢が述べられています。また、現実の国家の姿勢が読み取れる資料として以下のようなものもあげられます。これらのものは国連のホームページにあります。国連ホームページについてはまた後で詳しく使い方を説明します。

 

     国連などの決議の投票行動

     その国が提出した決議案や作業文書

     公式発言

     議題に関連した事項への貢献(例、その国家主導の会議や国際条約の有無)

 

4.       政策立案

情報が集まったらいざ政策立案です。今まで集めてきた情報、頭の中に叩き込んできた知識を総動員して政策を決定しましょう。これはおそらく例を見せたほうがわかりやすいと思われます。したがって前述した項目の中からいくつかを選び、前回見たビデオを例にして少し説明します。なお、ビデオの中ではいくつかの議題が取り扱われていましたが、ここで取り上げる議題は核軍縮についてとします。

 

     まず、担当国の基本情報です。日本の宗教は仏教と神道で、民族は日本民族とアイヌ、それに琉球と朝鮮系の人たちで成り立っています。が、ここではそれらはあまり関係ありませんね。ここで重要となってきそうな基本情報は、ずばり日本の位置です。日本は東アジアにありますが、すぐ近くには北朝鮮という国があります。これがどういうことかわかるでしょうか。つまり北朝鮮に絡む核問題が日本政府の懸案事項の一つであろう事がわかる、ということです。

 

     次に歴史と現在の状況です。現在日本は核の傘下に入っています。そして、その一方で日本は世界で唯一の被曝国です。この二つのことから日本は核の傘によって守られつつも世界唯一の被曝国として核廃絶を訴えなければならないというジレンマに陥っていることがわかります。

 

     最後に日本の所属するグループについてです。日本は通称JACJapan, Australia, Canada)と呼ばれるグループにおいて段階的な核軍縮を訴えています。これらの国はすべて核の傘下にある国であり、日本と似た立場に立っているといえるでしょう。

 

これらの要素は最終的には日本の「核兵器の究極的な廃絶に関する決議」という形となって会議の場に出されることになります。新入生にもわかりやすく、ということで日本政府を例に取りましたがわかっていただけたでしょうか。

 

5.       最後に

上の例では担当国が日本という国であるため比較的容易に情報を探し出すことが出来ました。しかし少数の国を除く多くの国については中々情報が手に入りにくかったり曖昧な態度を取っていたりするのが現状です。

ではそういう時はどうするのか。自分で考えるしかありません。というよりもその「自分で考える」というところに模擬国連の面白さがあるのだと思います。自分がしっかりと論拠を持っているのでしたら現実の政府の政策と違っていてもかまいません。大事なのは、情報を集めて、見て、考えて自国が何故そう主張するかという根拠を持つことなのです。根拠がしっかりしていれば、どんな質問も怖くありません。後は忠実に自国の政策にのっとって交渉を進めるだけです。頑張ってくださいね。

 

※以上つらつらと書き連ねてみましたがここであげた項目の多くは外務省ホームページの地域・各国情勢もしくはCIA The World Fact Bookに掲載されています。是非参照して下さい。