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議題:「アジア太平洋地域における貧困削減」設定会議:アジア太平洋経済社会委員会 使用言語:日本語/日本語/英語(公式/非公式/決議) 会議監督:中村香苗 |
| 国連創設からおよそ60年、貧困削減への国際的取り組みは、国連の関係機関や非政府組織(NGO)の協力によるものをはじめとし、数多く実施されてきました。21世紀スタートの節目には、「ミレニアム開発目標;MDGs」が定められ、国際社会は「2015年までに1日1ドル未満で生活する人口比率を半減させる」という、「極度の貧困の撲滅」のための数値目標をその冒頭に掲げています。 こうした取り組みの成果は、過去半世紀に貧困状態から脱した人口の割合をみても一目瞭然です。しかしながら、その世界的な動きは、地域や国家といった個々のニーズに十分に対応しているでしょうか。現在の世界、とりわけ先進工業国が保持する富をあわせもてば、MDGsの達成は多分に見込まれます。ただ、貧困濃度のバランスや地域的特徴など、ひとたび個別の事象に目を向けると、富を集約するだけでは容易に達成し得ないことが実感されます。国民の半数が貧困下にあるという過酷な特徴をもつアフリカの一方で、人口自体の多さも手伝い、世界の貧困層の約3分の2である、8億人もの貧困に喘ぐ人々を抱えているのがアジアです。貧困撲滅の世界的達成のためには、地域に代表されるそれぞれの事情を注視することが必要となるでしょう。同時に「貧困とは何か」「削減のための基礎とは何であるか」といったあらゆる貧困問題に共通する概念の抽出も、根本的な対応として不可欠です。 |
| 本会議では、貧困削減に関する地域としてのニーズと、貧困そのものの総論的なテーマの、双方の議論が求められます。「アジア太平洋地域における」という言葉から、一見すると前者のみを連想されるかもしれませんが、後者についてより深いバリエーションで思考する上でも、極めて重要な会議であると位置づけております。 【会議設定について】 @設定の意図 〜「アジア」というフィルターを通しつつ、常に「世界」を意識しながらの会議 〜 アジア初のノーベル経済学賞受賞者であるアマルティア・セン博士は、アジアを「発展のプロセス一般について理解し、そこから知識を得るためのすばらしい源泉」と表します。アジア地域がたえず直面してきた問題点と困難に関する研究は、発展のプロセス、ひいては貧困の根絶において何が要求されるかを理解するのにもってこいだ、というわけです。本会議の主な設定意図には、地域(regional)と全体(general/global)という、二つの次元で思考回路を働かせてもらうことがあります。地域単位で貧困削減を考えることが、地球規模での貧困削減を考える糸口となりうる―リサーチから会議本番を通し、参加者の皆さんにはそのことを体感していただけるはずです。 Aアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP) ESCAP(エスキャップ)は、国連経済社会理事会(ECOSOC)下の5つの地域委員会のひとつです。加盟国数は2006年現在62カ国(うち準加盟国9カ国)で、東西南北および中央・東南アジアにオセアニアを加えた、アジア太平洋地域諸国が含まれます。その内部には、東南アジア諸国連合(ASEAN)、南アジア地域協力機構(SAARC)、上海協力機構(SCO)など、結びつきの濃い国家群が複数あり、日中韓やオセアニア諸国をはじめ個々のプレゼンスの多様性もあわせれば、その表情の豊かさが特徴といえます。また旧植民地宗主国である欧米諸国も、設立以来の加盟国として存在します。単一の地域委員会ながら、分岐する様々な立場からの、あらゆる視線を養うことのできる会議となるでしょう。 |