みなさん、こんにちは。ディレクの岡田です。このあいだの第1回勉強会はいかがでしたか?今から復習していきましょう。
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<難民とは・・・議題解説者:松尾笑加>
この議題解説では、難民とはどういう存在なのか、どのように発生するのか、保護している機関は何なのか、どれくらいの数がどこにいるのか、受け入れはどうなっているのかについてみていきました。それではひとつひとつ振り返ってみましょう。基本的にレジュメと対応しているのでチェックしながら呼んでくだされば幸いです。レジュメは神戸研究会HPにもアップされているので、前回欠席された方や、レジュメをなくしてしまった方はそちらを活用してください。
★難民(refugees)とは
何らかの理由によって迫害を受けるおそれがあるという十分に理由ある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができない者又はその国籍国の保護を望まない者
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★ POINT★ ①何らかの理由により迫害を受けるおそれがあるという十分に理由ある恐怖を抱いていること
②①によって本国の保護を受けられないまたは望まない者
③迫害を加える本国の外にいること
*しかしながら、この3つのポイントを満たしていたとしても「難民」として認められ、保護を受けられるとは限らない。難民として認められ保護を受けるには、逃げていった国で難民申請し、当局によって認められなければならない。
★難民の発生原因
• 人種・・・南アフリカのアパルトヘイト政策で多くの黒人が脱出
• 宗教・・・インドとパキスタンの独立戦争ではヒンドゥー教信者がインドへ、イスラム教信者がパキスタンへ逃れた。
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政治的意見・・・冷戦期に共産主義国家から民主主義を唱える人が東から西へ脱出。
・戦争・紛争・・・アフリカで最も多い。ルワンダでは多数派のフツ族と少数派のツチ族が対立しており、ツチ族が政権を握った際、報復を恐れたフツ族は周辺国に難民として流出。
• 飢餓・・・エチオピアでは1984年紛争も伴っておこった飢餓により、周辺諸国に多くの人が安全と食糧を求めて逃れた。
• 自然災害・・・旱魃や地震、津波などで家や畑を失った人が生活の糧を求めて脱出。
• 環境破壊・・・海面の水位上昇などにより住んでいた土地がなくなった人が生活の糧を求めて脱出。
• 開発・・・政府主導のダム開発などで土地を追いやられる。特に途上国では立ち退きを強いられた人への補償が十分ではなく、生活の糧を得るために他国へ逃れる。
• ジェンダー(性差)・・・アフリカなどでは女子割礼や早期強制結婚などが伝統として残っており、それらに対して恐怖を抱く女性が故郷から逃れている。
* このなかでも特に自然災害、環境破壊などは難民として認定されにくい。紛争や政治的意見などによって発生した難民は「国家の保護が期待できないために」祖国から逃れたということで国際的な保護が必要となるが、これらのために逃れた人々はどんなに国土が荒れていても「国家の保護を受けることが可能」という見方をされるからである。
★ 難民の保護機関
●難民高等弁務官事務所(the Office of the United Nations High Commissioner for Refugees: UNHCR)
・援助対象者・・・1710万人(2004年1月1日現在)
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・ 難民(refugees)
・ 庇護申請者(asylum seekers)・・・保護を求めて他国に避難し、その国で難民として庇護申請中の人々。
・ 帰還民(returnees)・・・迫害から逃れるために他国へ脱出し、難民認定を受けた難民が、迫害される恐れがなくなったために自国に戻って、その自国内でUNHCRからの支援を受けている人々。UNHCRは紛争などで家や仕事を失い、0からスタートしなければいけない帰還民に対し支援している。
・ 国内避難民(Internally displaced persons: IDPs)・・・難民の3つポイントのうち、①、②は満たしているが、③(国籍国の外にいること)を満たしていない人々。2004年1月現在、UNHCRの支援を受けているIDPsは約440万人で、その半数はアフリカにいる。特にスーダン、アンゴラ、ブルンジ、コンゴ民主共和国、ルワンダ、シエラレオネなどに多数存在している。IDPsは難民と同じ理由で避難していても難民としての保護を受けることができず、そのことが問題とされている。
●国連パレスチナ難民救済事業機関(the United Nations Relief and Works Agency for Palestine
Refugees in the Near East:UNRWA)
・パレスチナ難民・・・第2次大戦下、イギリスは国を持たない民族であるユダヤ人に国家建設を条件に資金提供を求めた。大戦後、「約束の地」であるパレスチナへユダヤ人が集まり、「イスラエル」が建国されたが、その一方で元々住んでいたアラブ人たちが追い出され、アラブ・イスラエル紛争が勃発した。パレスチナ難民とは、この紛争によって家や生活の糧を失ったアラブ人とその子孫を指す。通常UNHCRはパレスチナ難民には関与していない。
★難民の発生状況
・難民の数…970万人(2004年1月1日現在)
難民発生が多いのはアジア・アフリカ地域。特に中央アジア、西アフリカ、中央アフリカ、アフリカ大湖地域に多い。そのなかでも今までに特に多くの難民が発生している国・地域は、
1. アフガニスタン
2. スーダン
3. ブルンジ
4. コンゴ民主共和国
5. パレスチナ地域
アフガニスタン難民の一番の発生原因は1979年に起こったソ連軍のアフガニスタンへ侵攻です。冷戦時代、ソ連の援助の下共産主義政権であったアフガニスタンでは次第に反政府勢力が共産主義政権を脅かすようになり、ソ連政府は同盟国を失うことをおそれて侵攻を行った。このソ連軍侵攻によって、爆発的な数の難民が国外へ流出。また、干ばつなども起こる地域で断続的に故郷を逃れる人がいた。2001年の対米同時多発テロ以降にもアフガニスタンからパキスタンへと難民が流出した。
近年(2003年)多く発生している国は、
1. スーダン
2. リベリア
3. コンゴ民主共和国
4. コートジボワール
5. ソマリア
スーダン西部のダルフール地方においては、水と牧草地を巡る争いをきっかけに、2003年2月頃からスーダン政府と反政府勢力の間で衝突が発生し、反政府勢力が政府機関等に対し襲撃を繰り返し、それに対しスーダン政府側が大規模な掃討作戦を展開した結果、約184万人の国内避難民が発生し、約20万人のスーダン難民がチャドに避難している。
★ 難民の受け入れ
難民は国から国へ移動する存在であるため、彼らを受け入れる国家が必要となる。しかしながら、受け入れに対して積極的な国もそうでない国もある。積極的な理由としては、労働力の確保や国際貢献のため、消極的な理由としては、土地や資金がないこと、文化的相違による地元住民とのトラブルを恐れて、などがある。また、難民しては認められないが、保護が必要な人を受け入れる「人道的受け入れ」という形もあり、北欧諸国はこれに則って多く受け入れている。
・積極的な国は、アメリカ、ヨーロッパ諸国、カナダ、エジプト、ガーナなど。
しかしながら、現在は全体として難民の受け入れに対して消極的な国が多く、多くの難民が受け入れの門戸開放を求めている。また、アフリカなどでは受け入れる前に近隣諸国から人が流入するという事実もある。
冷戦中は東から西へ、つまり社会主義国家から民主主義国家への移動が多く見られたが、現在は南から北へ、つまり貧しい南半球から豊かな北半球への移動が多く見られる。そのなかでも、北半球まで行けるほどの力がない人は、南のなかでもより豊かな国へ、つまり南から南の移動も多く見られる。
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一通り振り返ってきましたが、思い出していただけたでしょうか。何か分からないことがあればkaori_shingaidai@yahoo.co.jpまでお願いいたします。
文責 岡田香織